滋賀ではどんな教育を受けられるのか、気になっている保護者の方も多くいらっしゃることかと思います。今回お伝えしたいのは滋賀県独自の取り組みの1つ【うみのこ】です。
「海の子」ですか? 滋賀には海は無いような……。
「湖」と書いて「うみ」、「湖の子」です! 琵琶湖を抱く滋賀県ならではの教育事業なんですよ!
これから小学校へと上がるお子さんがいらっしゃる保護者の方、滋賀県への移住をご検討中の方、滋賀県外で「他の県の教育環境も参考にしたい!」とお考えの方など。
教育現場にご興味のある皆さんに、ぜひお届けしたい情報です。最後までご覧頂けましたら嬉しいです!
滋賀の【うみのこ】はどんな事業?
滋賀の【うみのこ(湖の子)】は、小学5年生を対象とした体験型フローティングスクール学習です。また、学習の際に子どもたちが乗船する学習船の名前でもあります。
▽ 公式サイト
滋賀県立びわ湖フローティングスクール
主な学習内容
- 他校の児童と交流し、集団生活を行う
- 琵琶湖の自然や景観に触れ、環境や島のことを学ぶ
- 寄港地で街のことを学ぶ
- 滋賀県産の食材を使った食育
- 避難訓練
など
豊かな人生経験の上でも、出会いや体験の機会は重要ですよね。学ぶ機会を通して良い縁が続くのは素敵なことです!
学習1:他校交流と集団生活
【うみのこ】には複数の学校の子どもたちが乗り合わせます。
1つの校内生活だけでは得られなかった出会いの場でもあるわけですね。他校同士の子どもたちが班を組み、1泊2日を共に過ごすことで親交を深めていきます。
うみのこでの学習を終えた後も個人交流を続け、大人になってからも仲良くやり取りするほどの関係になることも。
「船長やリーダーの指示に従う」という経験を通して、規律の大切さを学ぶ場でもあります。
学習2:琵琶湖の環境・島などについて学ぶ
- 貝やプランクトンなど、湖の生態系の観察
- 水の透視度調査
- 水の汚れの回復実験
- 島の景観を見学 など
学習船ならではの魅力ですね。実際に湖上に出ることで、一層身近に琵琶湖のことを学べる機会といえるでしょう。
琵琶湖の水質や、環境の保全にどう取り組んでいるのか。長く続いて来た琵琶湖を取り巻く自然・歴史・文化を次世代に繋いでいくためにも、未来ある子どもたちが楽しく学んでいくことは大切です。
学習3:街について学ぶ
寄港地では街や旧跡をみんなで歩き、実際に見ていく中で街について学んでいきます。
学習4:滋賀県産の食材と食育
- マス、アユ、シジミなどの湖の幸
- 近江牛
- その他、滋賀県産の食肉や野菜
などを使った食事が提供されます。
学習5:避難訓練
湖に出るのは、楽しいことばかりではありません。船上で過ごす生活を安全なものにするためにも、万一の事故に備え救命胴衣の着用などを行います。
【うみのこ】の歴史
滋賀県主導による教育企画の一環で、1982年(昭和57年)に県議会で議決、翌年1983年に同船が建造され【うみのこ】と命名されました。
以来、累計約62万人以上(※)が乗船し、学習に参加しています。
2023年(令和5年)には就航40周年を迎えた、長く続く取り組みです! これからも更に多くの子どもたちの学びの場となっていくのでしょうね。
※ 累計人数は2023年の就航40周年時点のものです
見学の機会もあります
【うみのこ】の学習対象は滋賀県内の小学5年生ですが、活動の一部は保護者や県内外の人々にも公開される機会があります。
今年(令和6年度)はすでに終わってしまいましたが、9月22日に見学会が実施されました。
参考:滋賀県教育委員会|令和6年度「うみのこ」見学会について
▽ 公式YouTube動画でも活動内容を見ることができます(視聴長さ:約10分半)
▽ おすすめ関連記事|カヤック体験や科学館、忍術村など、郊外で楽しく学べる機会は屋内・屋外合わせて他にもいろいろ!こちらもよければご参考くださいね!
終了したって本当!?|実は2代目が現役です!
インターネット上では「うみのこは2018年に終了した」という情報も見られます。これを見てビックリされた方もいらっしゃるかもしれません……。しかし、安心してください!
現在は2代目が現役なのです。
初代【うみのこ】が2018年(平成30年)に運航終了したのは事実ですが、同年から2代目の【うみのこ】が運航をスタートしています。
同じ名前を襲名したのですね! 2018年には約35年の運航を務めた初代【うみのこ】の引退セレモニーが行われました。
参考:滋賀県立びわ湖フローティングスクール|「うみのこ」概要
滋賀の体験学習は他にも!3つの「○○のこ」
滋賀には【うみのこ】の他に、【やまのこ】【たんぼのこ】があります。3つの体験学習で、子どもたちの生きる力・学ぶ力をさらに豊かに育んでいける県なのです。
やまのこ
県内の小学4年生が参加します。県内8か所で、森林環境がどんな働きをしているか・森林における危機をどう回避するかを、体験を通して学んでいきます。
森林と琵琶湖は、環境の巡りの中でも繋がりがあります。【やまのこ】から【うみのこ】へと学習を繋げることで、自然界を学ぶ大きな1つの取り組みにもなりますね。
たんぼのこ
農作物を植えてから収穫するまでの農作業の一連を、体験を通して学習します。「食」の成り立ちを自らの経験として触れる機会となる他、作物を育てる上で欠かせない「水質」「土壌」などの環境にも目を向ける機会にもなっています。
「湖」「森林」「田畑」、どれも私たちの生活に欠かせない大切なもの。豊かな学習環境で、子どもたちの未来に続いていって欲しいですね!
まとめ
この記事では、滋賀のフローティングスクール・学習船【うみのこ】の取り組みについて紹介しました。
ポイント
- 集団生活や琵琶湖について等を、県内に暮らす小学5年生が学ぶ取り組み!
- 1983年から運航され、これまで累計約62万人が乗船し学習に参加している!
- 現在活躍中の2代目【うみのこ】は2018年から親しまれている!
滋賀には独自の体験学習事業として、【うみのこ】だけでなく、【やまのこ】【たんぼのこ】もあります。3つの学習を通して育つ子どもたちの将来が楽しみですね! 保護者や教育現場の想いが、後世まで長く楽しく続くことを願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。