一軒家の中で誰がどんな生活をしているのかは、外からは なかなかわかり得ないものです。もし、その中で犯罪行為が行われていたら? 誰かが助けを待っていたら?

この記事では、平成も終盤であった頃に発覚した、滋賀県・大阪府が事件現場となってしまった滋賀・堺監禁事件を紹介します。

概要

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事件は、滋賀県の近江八幡市・大阪府の堺市、2カ所にある民家で発生。2013年(平成25年)頃から2017年(平成29年)の計4年ほどにわたり、2人の成人男性が知人の男女5人から暴行を受け監禁されていたというもの。

被害者たちは裸でオムツを履かせられるなどして、監視カメラ下で監禁されていたそうです。道具を使って殴る・排泄物を食べさせるなどの暴行も行われており、衰弱しても医療を受診させず監禁継続。被害者の障害年金を取り上げるなどの犯行もあったとされています。

その末に、被害者うち1人が死亡。もう1人の被害者は無事救助され、入院。

殺人・監禁などの罪で、被告人らはそれぞれ懲役などの判決を受けました。

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経緯・内容

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経緯

経緯は次のような流れであったようです。

  • 2009年(平成21年)頃:趣味を通じて、被害者Aさんが被告人たちと知り合う
  • 2013年(平成25年)~:堺市で共同生活をしていたが、次第に暴行などが始まる。被害者Aさんは怪我で動けなくなり、押し入れに閉じ込められ監禁が始まった
  • 2015年(平成27年)頃:ジムを通じて、被害者Bさんが被告人たちと知り合う。次第に「使い走り」扱いとなり、暴行へ。衰弱し動けなくなり、堺市で部屋に監禁
  • ~2017年(平成29年):被害者Bさんが近江八幡市の民家に移され、監禁継続される
  • 2017年(平成29年)8月:近江八幡市の被害者Bさんの容体が危険として、被告人の内の1人が119番通報。被害者Bさんは救急搬送されたが死亡。暴行の形跡も見られたことなどから司法解剖され、事件が発覚した
  • 事件発覚後、堺市の方でもう一人監禁されている可能性がわかり、捜査員らの踏み込みにより、被害者Aさんが救助された

被害者は2人

被害者2人はそれぞれ、別のタイミングで被告人らと知り合っていました。被害者Bさんが被告人らと知り合い、暴行に発展して監禁生活を送らされていた間、もう一方で被害者Aさんがずっと監禁されていたという状態です。

被害者Bさんの死因は細菌性肺炎でした。救助された被害者Aさんは当時衰弱していたものの、入院して回復へと向かわれたそうです。

被告人たちの内部でも力関係があった

主犯から他の被告たち4人に対しても力関係があり、被告たちグループ内にも「従わなければ次は自分が暴行されるのではないか」との恐怖状態があったといいます。

判決

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  • 事件を主導した主犯に、懲役30年
  • 主犯の交際相手に、懲役20年

    など

被害者の死因は細菌性肺炎でしたが、このままではいずれ死亡するとわかっていながら医療を受けさせず監禁を継続したことなどで、殺意があり見殺しにしたとの判断から「殺人」として重い判決となりました。

まとめ

この記事では、滋賀県・大阪府で2013年~2017年頃にかけて発生した殺人・監禁事件についてお伝えしました。

人の尊厳を踏みにじり、肉体・精神に苦痛を与える、監禁および虐待・暴行は卑劣な犯罪です。この事件は集団で長期にわたって犯行が行われたことも、恐ろしい点でした。