滋賀県の小中学校には、登校時の服装などに独特な特徴があることをご存知でしょうか?一部の小学校には「標準服で登校」という風に、服装に決まりがあったり、ランドセルではない鞄が指定されている学校があります。
ランドセルではない鞄というのは、「ランリック」と呼ばれる布製のリュックのことを指します。「ランリック」という鞄も、関西地方では比較的多く使われている鞄ですが、他県の方は知らないという方が多いのではないでしょうか。
「標準服」も気になります。一体どんな服装なのでしょう?
こちらの記事では、滋賀の一部の小学校で使用されている「標準服」と「ランリック」について、以下の情報をお届けします。
- 一部の滋賀県小学校で採用されている「標準服」や「ランリック」とは?
- ランリックが使用されている滋賀の小学校一覧
- ランリックとランドセルとの違い
滋賀県小中学校で採用されている「標準服」や「ランリック」とは?
標準服は、大津市立平野小学校のWebページによると、以下のようなものとされています。
(例)大津市立平野小の標準服
【上衣】
・長袖または半袖の白色襟付きシャツ(ポロシャツ、カッターシャツ、ブラウスなど)
・紺または黒色のVネックセーター、ベスト
【下衣】
・紺または黒色のズボン、肩紐付きスカート
様々なセレモニーにも着ていけそうな服装ですね。
しかしこの「標準服」、なぜ「制服」と呼ばないのでしょうか。滋賀県の医大生、伊藤文さんの論文にその答えがありました。
私が「制服」と呼んでいた服装は、義務ではないという意味で、公立小学校では「標準服」と呼ばれていることも調査の中で教えてもらった。
小学校の標準服・ランドセルから見る大津(PDF)伊藤文さん論文より引用
数ある標準服を採用している学校も、必ずしも絶対ではないという認識の学校もあるようです。ほとんどの生徒がこの標準服で通学している学校もあれば、私服でもどちらでも良いという学校もあるようでした。
ランリック
次に、滋賀県内で多くの小学校がランドセルの替わりに採用している「ランリック」を見ていきましょう。持ち運びに適した布製のリュックです。子どもが交通事故に遭わないようにという配慮で、色は黒色と黄色で作られています。前面の透明ポケットのところに、各学校の校章が入れられています。
こちらの「ランリック」も標準服と同様、ほとんどの生徒がランリックだという学校もあれば、ランドセルでもランリックでも、どちらでも選べたりする学校もあるようでした。
昨今の小学校では、授業でタブレット端末を使用する学校も多く、通学時の荷物重量はどんどん重くなっているようです。重いランドセルは子どもの背骨にも悪影響があると、一時期盛んに報道されていました。
そうした意味でも、軽い布製のランドセルは健康面にも良さそうです。
全国的にも、布製のランドセルを選ぶ方は増えている印象があります!
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ランリックが使用されている滋賀の小学校一覧
滋賀県高島市のwebサイト上の資料に、2017年3月時点でのランリック導入校をまとめたものがありました。参考にご覧ください。
実際にお子さんが入学する年度には変更があるかもしれませんので、各小学校のWebページをご覧になったり、お問合せしたりしてくださいね。
高島市 | マキノ西小 | 朽木東小 | 本庄小 | 新旭南小 | 新旭北小 |
大津市 | 小松小 | 木戸小 | 大石小 | 田上小 | |
湖南市 | 三雲小 | 三雲東小 | 菩提寺小 | 菩提寺北小 | 石部南小 |
甲賀市 | 油日小 | 大原小 | 湖南第一小 | ||
東近江市 | 能登川東小 | 能登川南小 | 能登川北小 | 蒲生西小 | 蒲生北小 |
栗東市 | 大宝小 | 大宝西小 | |||
守山市 | 速野小 | ||||
野洲市 | 中主小 | ||||
近江八幡市 | 北里小 | ||||
竜王町 | 竜王小 | 竜王西小 | |||
日野町 | 西大路小 |
2022年1月、滋賀県多賀町の小学校入学予定者に、学校指定のランリックを支給したという報告がありました。(参考:マイ広報誌|滋賀県多賀町教育委員会|学校教育課)ランリックは今も密かに広まっているようです。
ランリックとランドセルとの違い
滋賀県の多くの小学校で採用されているランリックですが、ランドセルと比較するとどのような違いがあるのでしょうか。重さや価格、使いやすさなど、気になるポイントを比較してみました。
ランリック | ランドセル | |
重さ | 約760g | 1,100~1,500g |
価格 | 11,660円~21,230円(種類による) | 15,000円〜100,000円程度 |
用途 | 遠足など校外学習にも使用可能 | 遠足など校外学習には不向き |
汚れやすさ | 雨がしみる、汚れやすい | 雨がしみにくい、汚れにくい |
丈夫さ | 耐久性はランドセルより劣る | 耐久性あり |
形状 | 布製のため変形でき、荷物を多くつめやすい | 変形しないので、紙類のしわ等ができない |
入手しやすさ | 1社のみ製造(商標登録) | 複数社製造 |
ランリックはランドセルよりも軽量で、価格が安く、遠足などの校外学習にも使用できるというメリットがあります。デメリットとしては、雨がしみやすい、汚れやすい、耐久性がランドセルより劣るといった点があります。
どちらも一長一短ありますね。軽量で校外学習にも使えるランリックは、子どもにとって使いやすいことは間違いありません!
全国的にも、低学年の時だけは布製のランドセルにするというご家庭も見受けられます。学校指定ではなくても、布製のランドセルが選ばれる時代になったのだなと思います。
ランリックどこで買えるの?
現在では小学生だけでなく、女子高生や社会人も買い求める方がいるそうです。そんな小学生ではない方や、他県の方で布製のランリックを買ってみたいと思った方は、こちらの会社で購入できます。
ランリックは1968年から、京都府のマルヤスで販売されました。「ランリュック」とも呼ばれますが、正式には「ランリック」です。「ランリック」「ランリュック」ともにマルヤスの商標登録名となっています。ランリックはマルヤスの店舗かネットショップでしか買えません。
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まとめ
一部の滋賀県小学校で採用されている「標準服」と「ランリック」について解説しました。
標準服とランリックについて
※標準服(大津私立平野小の例)
- 上衣は、
- 長袖または半袖の白色襟付きシャツ(ポロシャツ、カッターシャツ、ブラウスなど)
- 紺または黒色のVネックセーターやベスト
- 下衣は、紺または黒色のズボン、肩紐付きスカート
※ランリックとは布製のリュック。ポケットのところに校章が入れられている。
ランリックはランドセルと比べて、「軽量で価格が安く、遠足などの校外学習にも使用できる」というメリットと「雨がしみやすい、汚れやすい、耐久性に劣る」というデメリットがわかりました。
2017年3月時点でのランリック採用校30校をご紹介。2022年1月には、滋賀県多賀町の小学校新入生に対して『ランリック』が配布されました。