日本最大のスケールを誇る琵琶湖。
水上スポーツも盛んにおこなわれている琵琶湖ですが、その広さや深さから、遭難・水難事故も起こりうる場所です。
この記事では、2024年に滋賀で起こった50人行方不明の事故についてお伝えします。記事後半では年間の水難事故の発生件数、事故防止についての情報もお伝えしていきます。
滋賀で50人が行方不明になった遭難事故|概要
2024年(令和6年)9月9日、滋賀県の琵琶湖で「50人でカヤック航行をしていて、遭難した」という事故がありました。遭難者はびわこ成蹊スポーツ大(大津市)の44名の学生と、6名の大学関係者。
全てのカヤックが転覆したわけではなく、実際に湖に落ちた人は一部でした。
一時行方がわからなくなった人も居ましたが、全員が自力で岸に戻り、9日夜~10日にかけて全員の無事が確認されました。
経緯・詳細
当日は午後4時ごろから現場付近の風が強くなっており、波も高かったそうです。本来の予定では夕方ごろには航行を終えるつもりだったところ、戻れないまま日没を迎えてしまいました。
経緯・詳細は下記の通りです。
経緯
- 9日の午後2時半ごろ、高島市の白鬚神社(しらひげ-じんじゃ)を目指して艇庫を出発
- 9日の午後4時ごろに白鬚神社に到着
- 9日の午後4時以降
- 風が強くなり、一部のカヤックが転覆
- 約30人が湖から戻れなくなった
- 9日の午後6時15分ごろ、目撃者により「日没になるのに20人ぐらいが進行している」と110に通報があった
- 9日夕方~夜にかけて、自力で岸に戻った人は各自、大学等に帰還
行方がわからない人も居たが、その後、無事が確認された
詳細
現場
現場は、大津市北小松の琵琶湖沖です。
遭難者
カヤック航行に参加していたのは「びわこ成蹊スポーツ大学」のサッカー部員たちで、関西学生リーグに向けた活動の一環だったそうです。学生たちと一緒に出航していた関係者6人は、コーチや監督でした。
カヤック編成
- 2人乗り:10艇
- 1人乗り:30艇
うち、2人乗り2艇・1人乗り1艇の計3艇が転覆しました。
その他
全員がライフジャケットを着用していました。けが人の情報は無し。
▽ 関連記事|琵琶湖では戦前にも、学生の集団遭難が発生しています。
年間の水難事故【発生件数・注意点は?】
滋賀県の琵琶湖では毎年、水難・船舶事故などが発生しています。
2023年の発生件数
昨年2023年(令和5年)には、
- 19件の水難
- 64件の船舶事故
が琵琶湖で発生しており、そのうち船舶事故では死亡にまで至っています。
水難・遭難に備えた注意点
湖上に出る時は、ライフジャケットを着用することが大切です。また、琵琶湖で水難・遭難事故が起こった時、目撃した時の連絡先は110番です(「滋賀県警本部」につながります)。
暗い時間帯は視界が確保できず、危険も増します。夜間は捜索も困難です。早朝の出発は控え、日没までには帰るようにしましょう。
琵琶湖は内陸で「海に比べると安全そう」と思うかもしれませんが、約670km²の面積・最も深いところで約104mの水深のある巨大な湖です。風が強ければ波も激しくなり、ちっぽけな人間にはなすすべもありません。
まとめ
2024年に発生した琵琶湖での「50人が行方不明になった遭難」をお伝えしました。
広い琵琶湖は楽しい水上レジャー・水上スポーツの場でもありますが、危険とも隣り合わせで、じゅうぶんな注意が必要です。今回の「50人が行方不明になった事故」でも、ライフジャケットを着用していたことが全員の無事生還につながったといえるでしょう。
事故の当事者になってしまわないよう、万一が起こってしまったとしても無事に生還できるよう、湖の安全を祈ります。
事故に備えるために!
- ライフジャケットを着用する
- 早朝や日没は避ける
- 万一の水難・遭難時、目撃時は、すみやかに110番へ通報