生活に欠かせない水運や漁業、そして楽しいはずの水遊び。しかし、時には水は事故にもつながり、尊い命が奪われることもあります。

毎年、全国では水難事故が発生しており、滋賀県も例外ではありません。どのくらいの件数発生しているのか、過去には実際どのような事故があったのか、実際に遭遇した時の対応例などもお伝えします。

※ 湖や河川で水難・遭難事故が起こった時、目撃した時の連絡先……110番・119番

滋賀では毎年どのくらいの水難事故が起こっているか

県内での年間の水難件数は約30~40件ほど。琵琶湖での発生も多いですが、それ以外の河川・ダムなどでも事故が起こっています。

県内

令和5年(2023年)の県全体での水難発生は37件で、水難者数は65人。内、13名が亡くなっています。

参考:警察庁 令和5年における水難の概況等|p4 都道府県別水難発生状況(令和5年)PDF

琵琶湖

令和6年(2024年)では、琵琶湖での水難事故の発生は全部で14件。うち、半数にあたる8名が亡くなっています。

また、令和5年(2023年)は19件でした。

引用:滋賀県 警察の広場|水難・船舶事故について

過去の事故例

過去に実際に起こった事例です。

発生年場所概要
2025年9月大津市 北小浜サップをしていた男女が計9名、漂流/落水などののちに救助
(時間がそれぞれ別で、別のグループ)
2025年5月大津市 琵琶湖漕艇場近く女性が流され死亡
2024年8月東近江市 愛知川遊びに来ていた兄妹が堰堤(えんてい)から転落。男子中学生が死亡した
2023年8月大津市 琵琶湖の各水泳場など・男子小学生/女性会社員/スリランカ人男性/男子大学生が溺れて死亡・行方不明など

(それぞれ別日・別の場所)
2023年8月大津市 琵琶湖無免許運転の水上バイクが、遊泳中の男児・女児をはねて怪我をさせた
2022年5月大津市 淀川水系天ヶ瀬ダムダム湖車両が転落する事故

参考:Yahoo!JAPANニュース 2025年5月29日
参考:朝日新聞 2024年8月18日
参考:産経新聞 2023年8月22日
参考:近畿地方整備局 2022年5月22日

水が絡んだ事故は、遊泳中だけではない

遊泳中の事故だけでなく、

  • サップ/ヨット/カヤックなどに乗っていて、強風にあおられ落水・転覆
  • 岸辺や河川近くで遊んでいて誤って転落
  • ダム付近を通行中に転落

なども多く発生しています。この他、琵琶湖を航行する船舶の事故や、遊泳中の人が水上バイクなどの乗り物と衝突する事故も起こっています。

▽ 関連記事|琵琶湖上は風の影響も強く、強風による事故・遭難も。

死亡事例では「ライフジャケットを装着していなかった」が多い

救助が間に合わず亡くなった例では、「ライフジャケットを使っていなかった」ケースが目立ちます。

魚釣りや、岸辺で遊ぶだけなど「入らないから大丈夫」と油断していると、いざ水に転落してしまった時に危険が高まります。

▽ 関連記事|山岳事故でも、沢登り中の落水などが起こっています。

水難事故に遭遇した際の連絡先・対応は?

水難事故に遭遇した場合の連絡先や、対応例です。

通報の連絡先

  • 通報は……110番(警察)・119番(消防)
  • 通報内容は……「どんな事故か」「どこで起こっているか(場所)」「どのくらいの人数が溺れているか」「通報者の氏名・連絡先」など

※ 海の場合は118番(海上保安庁)にも連絡を。

対応例

  • 警察や消防などに通報する
  • 周囲の人に呼びかけ、助けを求める
  • 浮き具となるものがあれば渡す(浮き輪・ライフジャケット、ビーチボール、中身を減らしたペットボトルなど)
  • AED(自動対外式除細動器)が近くにあれば取って来る
  • 救助後、心肺の動きや呼吸がなければ胸骨圧迫・人工呼吸など

参考:海上保安庁|溺れた人を見たときの対処法
参考:滋賀県|水難事故に注意してください!

一人で救助しようとするのではなく、できるだけ複数人で対応できるようにしましょう。手分けして「通報する人」「AEDを探してくる人」など分担すると良いでしょう。

まとめ

この記事では、滋賀県で発生した水難事故の年間件数や、過去に起こった事故例などを紹介しました。

毎年、さまざまな場所・さまざまな形で、水難事故・水が絡んだ事故などが起こっています。落水して溺れると死亡に至るケースも大変多いです。

水場に向かう際はライフジャケットなどを準備し、できるだけ複数人で行動する・いざという時に備えて連絡先や対応を確認しておくなどの行動を心がけておくのが大切です。

あなたや、あなたの大切な人が無事であるように、守っていきましょう。