滋賀県の琵琶湖や河川にはさまざまな魚が泳いでいます。その種類はご存じでしょうか?
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「フナもいる」と聞いたのですが、フナってどんな魚ですか? 食べられるのでしょうか!?
(ぎく……っ)おいしく食べられますよ!
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琵琶湖のフナは滋賀の特産! 「どんな種類のフナがいるのか?」「有名な料理は?」「釣れるの?」といった疑問にお答えしていきます。滋賀のくらしを支えるフナ、ぜひ最後までご覧くださいね!
※ 施設・店舗情報は記事作成時のものです
滋賀の「フナ」といえば? 実は3種類いる!?

琵琶湖で獲れるフナ(鮒)で最もメジャーなのは「ニゴロブナ」です。この他、「ギンブナ(マブナ)」「ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)」も見られます。
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フナの仲間だけでも3種類いるんですね!
1:ニゴロブナ
琵琶湖の固有種で、滋賀では昔から食されていました。卵を抱えたメスの漁獲は特に喜ばれ、お祝い料理でもある「ふなずし」にも使われます。(※ ふなずしについては後述で紹介します)
姿
全体的に黒~オリーブ色っぽいグラデーション。背側が濃い色をしていて、腹側が白色です。すらりと細長い体で、口は小さめ。
▽ 博物館でも飼育! 群れを作って泳いでいますね。

生態
- 内湖・入り江(ヨシ帯)で産卵する:4~6月ごろ
- 稚魚は入り江(ヨシ帯)で育つ
- 個体数の減少から、現在は人の手で稚魚の放流なども行われている
- 育つにつれ沿岸から沖合の方へと移動し、冬頃になると湖の深いところを泳ぐようになる
- 主に刺網漁・かご漁で漁獲される(釣り竿でも釣れます)
誕生から2~3年が経つころには全長が約25~35cmほどに成長します。
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ちょうど、大人の両手の平に乗るくらいのサイズですね!
ヨシ帯とは
植物の「ヨシ(アシ)」などが多く群生する、水辺の浅瀬です。
2:ギンブナ / マブナ
別名「ヒワラ」とも呼ばれる魚です。全国に分布していて、単に「フナ」といえばこのギンブナを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
調理では「あらい(刺身)」の他、煮びたしや甘露煮も好まれ、じっくり煮れば骨までやわらかく食べられるのが特徴です。
姿
光沢があり、いぶし銀のようなオリーブ色~黒色をしています。背中側が濃い色で、腹側は白色。
前方がややぷっくりと丸みのあるシルエット。尾びれ近くがキュッと細いです。口は小さめ。
生態
- 内湖、入り江(ヨシ帯)、水田、河川の氾濫原で産卵する:3~7月ごろ
- 生殖は雌性発生でメスのみ
体長は約25cmほど。
雌性発生とは
オスの要素は受け継がれず、メス親にのみ似ます(ギンブナにオスはおらず、他のコイ科のオスとの受精でも正常に卵を産める)
3:ゲンゴロウブナ / ヘラブナ
「元は琵琶湖の固有種では?」と考えられている魚です。琵琶湖に生息しているゲンゴロウブナは近年、個体数が極めて少なくなってしまっており、絶滅危惧種として指定されています。
名前の由来である「源五郎」は昔話に出てくる堅田の漁師の名前で、この漁師が捕まえて安土城へ献上したのだともいわれているそう。
人工的に養殖されたものは「ヘラブナ」と呼ばれています。
姿
光沢があり、全体的にいぶし銀のようなオリーブ色をしています。背側が濃い色で、腹側が白っぽい色です。
背の方がもり上がっている、ひし形のような体高のあるシルエット。他のフナに比べると眼の位置がやや下の方にあります。口は小さめ。
生態
- 入り江(ヨシ帯)、水田などで産卵する:4~6月ごろ
- 絶滅危惧種のため、現在は人の手で親魚の飼育・稚魚の放流なども積極的に行われている(5月下旬ごろに飼育池で自然産卵、産まれた仔魚を水田へ放流)
誕生から約3年で、体長が約30cmほどに成長します。寿命が長く、個体によっては50~60cmほどにもなるそう。
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近年の水温変化やヨシの減少、外来種との生存競争など、固有種の存続には厳しい環境となっているのですね……。
琵琶湖博物館では、実際に泳いでいる姿も間近で見られますよ!
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滋賀の名品フナ料理【郷土の味】

滋賀でフナといえば、有名な郷土料理が「ふなずし(鮒鮨)」「小まぶし」です。
1:ふなずし
お寿司と聞いて思い浮かべるような握りずし(江戸前寿司)ではなく、塩漬けしたフナと米を長期間かけて発酵させ作られます。
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「古来のすし」の1つで、今も伝統的な製法を守って作られていますよ!
お祝い料理として
お腹に卵を抱えた子持ちのメスを使ったふなずしは、昔からのお祝い料理です。お正月などの特別な時に食べるものでした。
今では通販や道の駅でも気軽に購入できます。
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半年ほどかけてじっくりと発酵されます。手間が掛かっている分、いっそう特別感が増しますね!
健康効果も!
発酵食品であるふなずしには、乳酸菌の効果も期待されています。チーズのような酸味と旨味があり、味や香りは人によって好き嫌いが分かれるかもしれません。
2:子まぶし
「子付きあらい」とも呼ばれ、「あらい」という刺身料理の一種です。新鮮なフナを薄切りの刺身にし、冷水で洗ってしめた後に、子持ちのフナの卵をまぶしたものが「子まぶし」です。
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現地で食べる「子まぶし」は、琵琶湖ならではの伝統の味! 観光でお越しの際はぜひ食べてみてくださいね!
▽ 併せて読みたい関連記事|どんな郷土料理がある!?
観光客でも滋賀でフナは釣れる?【釣り情報】

結論からいえば、フナ釣りはできます!
ただし、フナ釣りを含め、河川や湖・沼などでの釣りには許可やマナーがあります。釣りをしたいエリアに合った情報を探しましょう。
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釣ってはいけない期間や、獲ってもリリース(放流)しなければいけないサイズ、場所によっては利用料金なども定められています!
気軽にフナ釣りをしてみたいなら、釣り場や道具を貸してもらえる施設の利用がおすすめです。
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滋賀県での漁業・遊漁について
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ルールを無視した乱獲や環境破壊は生態系を壊してしまいます。ルールやマナーを守って楽しみましょう!
釣り情報サイト(河川)
魚種ごとの釣り解禁情報が随時発信され、釣り場のマップや、県内にある各漁業組合の連絡先一覧なども見られます。河川釣りなら、まずこのサイトで情報収集をするのが良いでしょう。
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フナは「土山」「大滝」「余呉湖」の漁業協同組合で取り扱われています。
観光・遊技施設の例
初めての釣りや、小さなお子さんとの釣りなら、釣り堀サービスの利用がおすすめです。
▽ つりぼりトム・ソーヤの公式SNSより:投稿例
まとめ
この記事では、滋賀の琵琶湖や河川で見られる「フナ」について紹介しました。
- 琵琶湖のフナには「ニゴロブナ」「ギンブナ」「ゲンゴロウブナ」の3種類がいる!
- 滋賀にはフナを使った郷土料理「ふなずし」「子まぶし」がある!
- 滋賀ではフナ釣りも楽しめる!
フナは滋賀のくらしを支える大切な水産資源です。固有種は特に、個体数も減少するなど、未来に向けた課題も見られますね。
滋賀に旅行の際は、博物館や郷土料理のフナもぜひ楽しんでみてください! フナ釣りはルールやマナーを守って楽しみましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。