滋賀県の県庁所在地をご存じですか?かつて栄えた彦根や近江八幡あたり?百貨店があり駅前が栄える草津駅?滋賀県には歴史的にも生活するにも魅力的な場所ばかりですよね。各地に魅力がある滋賀県で県庁所在地がなぜ現在の場所に置かれたのか気になりませんか?

滋賀の県庁所在地と聞いてパッと思いつかないけれどどこなんだろう?知っていたけどなぜそこになったんだろう?そんな疑問を解決していきましょう。

近江びわ子
近江びわ子

滋賀県の県庁ってどこにあるんだろう

見てみましょう

滋賀太郎
滋賀太郎

【滋賀】県庁所在地の概要

県庁所在地の場所

住所:〒520-0044 滋賀県大津市京町4丁目1-1

滋賀県の県庁所在地は【滋賀県大津市】です。

〇大津市の公式YouTubeがあり、大津の魅力を紹介しています。

県庁所在地のある大津市の位置

滋賀県の西南端にあります。大津駅までは京都は電車で10分ほどです。とても近いですよね。

〇関連記事|大津市について紹介しています

大津市の人口|中核市について

大津市は滋賀県の中でも一番人口が多いです。

その人口は約34万人です。

2009年には中核市に指定されています。

参考:大津市の人口|大津市の中核市への移行について(PDF資料)

中核市について

政令指定都市以外の都市で比較的大きな都市について、事務の権限が県から市へ移譲されることにより、住民の身近で行政ができるようになります。中核市の要件は人口20万人以上です。

参考:大津市の人口|大津市の中核市への移行について(PDF資料)

滋賀県庁舎に建物について|概要

  • 滋賀県庁舎の国有形文化財登録について
  • 国登録有形文化財の登録要件について
  • 設計者の概要

滋賀県庁舎の国有形文化財登録について

現在の滋賀県庁は国登録有形文化財に登録されています。現在の滋賀県庁は昭和14年5月16日に竣工式を迎え、70年余りの時を経て、平成26年(2014年)12月19日、国の登録有形文化財に登録されました。

参考:滋賀県公式ホームページ|国登録有形文化財に向けて

国登録有形文化財の登録要件について

国登録有形文化財について

国登録有形文化財とは、建設後50年を経過したもののうち、国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範になっているもの、または、再現することが容易ではないもののいずれかに該当するもので、滋賀県庁舎本館は、造形の規範になっている建物として評価されました。

引用元: 滋賀県公式ホームページ|県庁舎本館の国登録有形文化財への登録について 

国登録有形文化財の登録基準は、

建築物、土木建造物及びその他の工作物のうち、原則として建設後50年を経過し、かつ、次の各号の一に該当するもの

(1)国土の歴史的景観に寄与しているもの

(2)造形の規範となっているもの

(3)再現することが容易でないもの

引用: 文化庁 登録有形文化財登録基準

つまり、滋賀県公式ホームページと文化庁登録有形文化財登録基準によると、

建設後50年以上が経過し(登録時、竣工式(出来上がったとき)より70年経過)

造形の規範となっているものに該当して登録されました。

フナウンサー
フナウンサー

歴史的に重要な建物として国から認めてもらえたということですよね!すごい!

設計者の概要

設計は早稲田大学大隈講堂、群馬県庁等を設計したことで知られる佐藤功一氏です。鉄筋コンクリートの4階建で中央には塔屋がそびえ、左右に事務室、そして正面玄関には大きく車寄せを配したその容姿は、ルネサンス様式らしい格調高い存在感を放っており、本県を代表する近代建築の一つとされています。

引用: 滋賀県 県庁舎の歴史

滋賀県庁を設計した佐藤功一氏は先に紹介されている早稲田大学大隈講堂や群馬県庁に加え、日比谷公会堂や津田塾大学なども手掛けています。早稲田大学や日比谷公会堂など誰もが一度は聞いたことのあるところの建物に関わっていた方です。また、早稲田大学に建築学科を創設した方でもあります。近代の建築の発展に大きく寄与した方です。

そんなたくさんの有名な建築物を設計した方が設計した建物が県庁なのはどこかうれしく感じませんか?

実際に行かれた方の声をみてみましょう!

参考|筆者の感想

筆者は佐藤功一氏は存じ上げませんでしたが佐藤功一氏が設計された早稲田大学や日比谷公会堂は実際に建物は見たことはありませんが知っていました。自身も知っているところの建物を建てている設計者の方が自身の出身地の県庁の庁舎と設計し建てられていることは大変うれしく思いました。そしてされに、その建物が国から国登録有形文化財として「大切な建物ですよ」とお墨付きまでもらえました。そんな県庁舎に興味が湧き、地元を誇らしく感じました。

近江びわ子
近江びわ子

滋賀県庁の建物の経緯やちょっとした知識を知っただけでも興味がわいてきませんか?

建物も国が認めるすてきな建物なんですね。次は県庁が置かれた経緯や時期をみてみましょう

滋賀太郎
滋賀太郎

大津に県庁が置かれた時期

大津に県庁が置かれたのは、東海道線全通までの主要交通手段が琵琶湖水運であり、物資集散の中心が大津港であった明治のことです。

1800年代後半には琵琶湖を利用した水運は衰退がすすんでいました。琵琶湖の湖上交通は現在では考えられないほど大きな役割を担っていました。琵琶湖の湖上交通が大きな役割を担っている時代に大津港がありました。大津は京都にも近くて便利でした。湖上交通が盛んな時期に県庁が大津に置かれました。

移転問題|彦根への移転

大津に県庁が置かれたのは主要交通初段が琵琶湖の水運である時代のため、東海道線が全通し琵琶湖水運の重要性が時代とともに低くなってきました。そのため、大津に県庁を置いている大きな理由がなくなりました。

彦根に県庁を移転する騒動は明治と昭和に2回ありました。大津は滋賀県の最西端にあります。県庁が最西端にあることは県治の上で不便があるといわれました。最西端にあることで県庁へのアクセスが不便な地域があるとの理由でした。議論が起きていた当時、大津よりも彦根の方が人口が多かったのです。そのため県庁を彦根(かつて大きな藩だった井伊家が治めていたあたり)に移す議論がたびたび起きていましたが、現在のところ滋賀県庁は大津に置かれています。

参考:滋賀県庁舎の移転騒動

筆者の経験談|琵琶湖の重要性

筆者は歌舞伎を観劇した経験があります。その際、現在の滋賀県が舞台の演目でした。歌舞伎といえば日本が誇る古くからある伝統的な演芸です。その中でも琵琶湖の湖上で繰り広げられた場面に多くの時間が使われていました。琵琶湖は演目のなかで大切な場面として扱われていました。演目が作られた当時それだけ琵琶湖は大きな存在だったということです。

まだ琵琶湖の湖上交通が重要だったころ、京都にも近く、琵琶湖の水運にも便利な場所だとして大津が大きな役割を担い、県庁所在地が置かれました。

近江びわ子
近江びわ子

彦根と大津の間での移転問題についてはわかりましたね。滋賀県内で栄えているのは大津周辺なんでしょうか。

飲食店やショッピング施設があって活気があるのは草津や南草津周辺なんです!県庁があるところが栄えているイメージがありますよね。そこがなぜ県庁所在地の候補にならなかったの見てみましょう。

滋賀太郎
滋賀太郎

駅周辺に飲食店などがあり活気がある草津や、南草津ではなくなぜ大津が県庁所在地なのか。

栄えている草津や南草津が県庁所在地ではない理由

現在の滋賀県の利用者数が一番多い駅は草津駅や南草津となっています。正確な数字が出ておらずどちらが一番とは言い切れませんが草津駅と南草津が県内で一番利用者数が多い駅となっています。

筆者の体感として

現在、滋賀県内では草津駅周辺は一番栄えているように感じます。

飲食店も多く、駅を挟んでアルプラザと近鉄百貨店があります。駅でお酒を飲んだり、ご飯を食べたりするなら大津駅よりも草津駅にお店が多いかとおもいます。南草津は草津ほどではないものの現在飲食店も多く快速電車もとまるようになりました。以前は南草津駅には快速電車も止まらず、駅周辺も目立つものもありませんでした。立命館大学のびわこ・くさつキャンパスが20年ほど前からありましたが当初は南草津駅周辺はあまり栄えている印象はありませんでした。南草津に活気があるなぁと感じたのは快速電車が停車するようになったあとかなと感じます。

草津の方が栄えているとの声はあるようです。

草津が栄えてきた時期

草津駅は現在でこそ栄えていますが、県庁が設置された当時は現在のような大きなショッピング施設があったり飲食店が立ち並ぶ街並みではありませんでした。草津は鉄道がインフラとして発達してから栄えてきた街です。つまり草津駅周辺が栄えてきたのは鉄道がインフラとして大きな役割を持った後です。県庁が置かれた当時は琵琶湖の湖上交通がインフラとしての役割を担っていたため、草津や南草津周辺に県庁所在地が置かれませんでした。

県庁が設置された当時はまだ琵琶湖の湖上交通が重要でした。鉄道は未発達で琵琶湖の水運の物流より当時は重要視されませんでした。草津が栄えてきたのは鉄道が発達した後です。南草津も同様です。

なので、県庁が設置された当時は草津や南草津は現在のように栄えていませんでした。東海道と中山道の分岐・合流の地点で歴史的に重要な場所であったのには間違いありません。琵琶湖の湖上交通が発達していた時代に大津港があった大津に県庁は置かれました。かつて大きな藩があった彦根あたりとの間で移転問題は発生したものの、現在も県庁所在地は大津市となっています。

参考:草津市の概要・位置滋賀県庁の移転問題

データを比べてみよう

比較市町村

  • 大津市
  • 草津市
  • 彦根市

比較データ

  • 現在の人口
  • 現在の駅の利用者数
  • 現在の面積

人口

大津市 約34.5万人

草津市 約14.6万人

彦根市 約11.2万人

駅の利用者数

正確な数字にばらつきがあり確かな数字はここで言えませんが、

ここ10年くらいの間だと、草津駅や南草津駅が1位争いをしています。

南草津駅に2011年から新快速が止まるようになるまでは草津駅が1位でした。

次に続くのが大津駅。その次が彦根駅となっています。(今回の比較対象駅のみの順位です。)

どこの統計をみてもこの利用者数の順位にばらつきは見られませんでした。

面積

大津市 464.51㎢

草津市 67.82㎢

彦根市 196.87㎢

人口、駅の利用者数、保有面積を比べてみると県庁所在地の大津市がすべてにおいて1位というわけではありません。

駅の利用者数は活気の指数になるのではないでしょうか。

実際、大津駅よりも草津駅や南草津駅にはたくさんの飲食店や、商業施設があります。

隣接県と比べてみよう

隣接県の岐阜県は県庁所在地の岐阜市が人口、駅の利用者数ともに県内1位です。

筆者の経験談

筆者は滋賀県以外に岐阜にも住んだ経験があります。他岐阜県内の駅よりも岐阜駅に一番飲食店があり、百貨店もあります。

それゆえ、活気が県内で1番あるのは岐阜市です。滋賀と同じく、かつて織田信長が治めた地も岐阜市です。織田信長が滋賀を治めた地は安土です。江戸幕府でおおきな役割を担っていた井伊家が治めていたのは彦根。歴史的な観点だけでも滋賀は1カ所だけにとどまらない魅力がありますね。

岐阜県だけで考えても、歴史からみて力のあった岐阜市、駅の利用者数が一番の岐阜駅がある岐阜市、人口も岐阜市が一番多いです。

滋賀県は現在移動手段や輸送として大きな役割を担う鉄道があるのは草津や南草津。歴史からみて力のあった彦根。かつて力のあった湖上交通が盛んで、人口が一番多く京都にも近い大津。

滋賀県には各所に魅力や便利さがあり時代とともに変化もしてきました。

そのため滋賀には、県庁所在地が大津を含めたいろんなところにもふさわしいところがあるとたびたび議論にあがっています。

県庁所在地は大津以外にふさわしい場所があると議論がたびたび上がるということは滋賀県にはそれだけ各地に魅力のある地が点在するということです。隣接する岐阜県にも魅力はたくさんありますが、今回フォーカスしてみた人口、駅の利用者数、街の活気、歴史的に有名な地点だと比較した岐阜には岐阜市に集中していました。集中しているためにコンパクトにまとまっているのもいいですね。

その点滋賀県には他県と違って各地に魅力が点在しています。それぞれの町がよさを持っていることはとってもすてきなことですよね。

そして県庁所在地も現在は大津に置かれています。

まとめ

滋賀県の県庁所在地は大津市にあります。

大津市に県庁所在地が置かれたのはかつて栄えた琵琶湖の水運が関係していました。現在は琵琶湖の水運はインフラとして大きな役目は果たしていません。現在大きな役割を担っている鉄道ができる前、県庁が制置かれたころは現在と滋賀県内のインフラは大きく違いました。大津に大きな港がありかつて都として栄えた京都も近かったことから大津に県庁が置かれました。

大津に県庁が置かれた後も県庁を移設するという議論が少なくとも2回あがっています。

歴史的観点や駅の利用所数などをみても各所にそれぞれに良さがある滋賀県。県庁所在地の大津に大部分の魅力があるのではなく県庁を置く地に迷うほど魅力があるのも滋賀県の魅力の一つではないでしょうか。

魅力や便利さが時代とともに変化し受け入れてきた滋賀県。まだまだたくさんの魅力がありそうですね!