滋賀の琵琶湖には、多くの水生生物が生きています。それぞれどんな種類がいるかご存じでしょうか。

近江びわ子
近江びわ子

琵琶湖……ってことは、淡水ですよね。フナとか?

ご明察、フナもいますね! 他には、「イサザ」という魚もいますよ!

フナウンサー
フナウンサー

あまり詳しくない人には、耳慣れない名前かもしれませんね! この記事では、琵琶湖のイサザについて、魚の種類に詳しくない人にもわかりやすいように紹介いたします。イサザを知れば、もっと琵琶湖を身近に感じられますよ♪

ぜひ最後までご覧くださいね!

琵琶湖の固有種「イサザ」はこんな魚!【特徴・基本情報】

※ イサザ

琵琶湖のイサザは、固有種の淡水魚です。ハゼ科に属するハゼの一種。現在は絶滅危惧種として環境省のレッドリストにあります。

漢字で書くと「魦(いさざ)」です。

特徴

成長すると5~8cmくらいの大きさになります。

細長いですが、ぷっくりと丸みのあるシルエット。全体的に金色~飴色(あめいろ)をしていて、腹側は白っぽく、背中側にまだら模様があります。日の光にあたると、体がやや透き通って見えます。

丸い目が頭部のやや上あたりについているのも、特徴的です。

滋賀太郎
滋賀太郎

5cm……だいたい「人間の大人の指1本分くらい」の長さなのですね! 小さな魚ですね。

キョロッと丸い目がユニークで、キュートです♪

近江びわ子
近江びわ子

生態

  • 4~5月頃に、北湖の浅瀬にある岩石湖岸で産卵する
  • 稚魚は沖に流れて、水深20mほどのところで浮遊生活を送る
  • 成魚は北湖の水深30~70mあたりで生息
  • 漁場は竹生島の南あたりで、冬季に沖びき網で漁獲される

産卵期にはイサザはオスが産卵室をつくり、メスが産卵した後はそのままオスが卵を守ります

近江びわ子
近江びわ子

ふ化まで見守るお父さん! イクメンですね!

絶滅危惧にある

漁獲高は減少傾向にあり、環境省のレッドリストにも記載されています。減少理由の1つとして、湖岸の環境劣化による産卵場の変化や、温暖化による環境変化も考えられるようです。

▽ 関連記事|生きたイサザを見たいなら? 琵琶湖博物館では、たくさんの琵琶湖の生き物が見られます!

イサザはどうやって食べる?【料理・購入先】

※ イサザの佃煮

味は淡白で美味といわれます。

料理

  • 郷土料理「じゅんじゅん」
  • イサザ豆
  • 佃煮(つくだに)
  • しぐれ煮

    など

に調理されます。「じゅんじゅん」はすき焼きのような煮物料理、「イサザ豆」は大豆と一緒に煮る料理です。

滋賀太郎
滋賀太郎

甘辛い味付けで煮るのですね!

家庭によっては、唐揚げなどにもされるそうです。

近江びわ子
近江びわ子

加工品は通販などでも購入できる!

漁獲が少なくなり、昔に比べると手に入りにくくなっていますが、「イサザ豆」など今でも現地のお店や通販などで購入できます。

(※ 漁獲に時期があるため、時期外では購入できない場合もあります

▽ 通販可能なお店の例
鮒寿し魚治|オンラインショップ

同じ名前!? シロウオの「イサザ」とは違う!

※ シロウオ

踊り食いなどで食されるシロウオも、俗称で「イサザ」と呼ばれることがあります。しかし、このシロウオのイサザは「琵琶湖のイサザ」とは違う魚です。

近江びわ子
近江びわ子

イサザの話をしていて「なんだか話が食い違うな?」と思ったら……。同名の違う魚だったなんて!?

それぞれ違う魚を思い浮かべているだなんて、なかなか気づきにくいですよね。

滋賀太郎
滋賀太郎

シロウオはこんな魚

  • 4cmほどのサイズで、体は透き通った飴色の半透明
  • 産地は佐賀県~北海道など、広く各地にわたる

こちらもハゼ科の魚です。旬は春~夏頃。生きが良い新鮮なシロウオを、わさび醤油やポン酢などで「踊り食い」するのが親しまれています。

フナウンサー
フナウンサー

ちなみに、「シラウオ(白魚)」と名前が似ていますが、シロウオとシラウオも違う魚です。

まとめ

この記事では、琵琶湖の固有種「イサザ」について紹介してまいりました。

  • ハゼ科の淡水魚で、絶滅危惧種にある
  • 冬季に漁獲され、郷土料理「じゅんじゅん」や佃煮などで食べられる
  • 同じ俗称を持つ「シロウオ」とは違う魚

滋賀の固有種であり、昔からの水産資源でもあるイサザ。長く親しまれてきているユニークな魚です! これからも大切にしていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。