三重県四日市市と兵庫県神戸市、約174kmを繋ぐ予定の新名神高速道路(E1A)。2022年6月現在、『四日市JCT~大津JCT(三重・滋賀エリア)』『城陽JCT・IC~八幡京田辺JCT・IC(京都エリア)』『高槻JCT~神戸JCT(兵庫・大阪西エリア)』が開通しています。
『大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC(京都・大津エリア)』と『八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC(大阪東エリア)』が開通すれば、全線開通となります。
開通している区間やSAやPAの情報が気になりますね。
全線開通はいつごろになるんでしょうか?
この記事で使用している略語紹介
- PA(パーキングエリア):高速道路・有料道路上に設けられている比較的規模の小さな休憩施設のこと。例外的にサービスエリアよりも規模の大きいものもある。
- SA(サービスエリア):高速道路・有料道路上に設けられているパーキングエリアよりは規模の大きい休憩施設のこと。ガソリンスタンドがあることが多い。
- JCT(ジャンクション):複数の高速道路を繋ぐための立体的な交差点のようなもの。
- IC(インターチェンジ):一般道と高速道路を繋ぐ高速道路の出入り口のこと。
- スマートIC(スマートインターチェンジ):ETC専用インターチェンジのこと。SICと表記されることもある。
新名神の開通区間にある利用可能なSAとPA
2022年6月現在、利用可能なSAとPAは『鈴鹿PA』『土山SA』『甲南PA』『茨木千提寺PA』『宝塚北SA』合計5か所です。全線開通するとさらに2つのSA『新名神大津SA』『城陽SA』が加わり7か所になる予定です。新たに加わるSAの詳細も早く公開されるといいですね。
開通している区間のSAとPAの情報をお伝えします。
新名神の利用可能なSA・PAごとの特徴
利用可能な5か所のSAとPAのうち鈴鹿PA・土山SA・宝塚北SAの3か所は共通の特徴があります。個々の特徴を紹介する前に共通の特徴について見てみましょう。
鈴鹿PA・土山SA・宝塚北SA共通の特徴
鈴鹿PA・土山SA・宝塚北SA共通の特徴
- 上り線、下り線どちらからでも同じ商業施設を利用できる
- 一般道からもSAやPAの商業施設を利用できる
上下線共用型
3ヶ所は上り線、下り線どちらからでも同じ商業施設を利用できる上下線共用型といわれる作りになっています。駐車場は上下線別にありますが、その駐車場に挟まれる形で商業施設があるんです。そのため上りでも下りでも同じ商業施設を利用できるようになっています。
ぷらっとパーク・ウェルカムゲート
さらに一般道からSAやPAの商業施設を利用できるようにも設計されています。NEXCO中日本とNEXCO西日本では「ぷらっとパーク」と「ウェルカムゲート」と名称は違いますが、どちらも高速道路利用者だけでなくもっと多くの人に施設を利用してもらえるようにと作られました。もちろん、24時間利用できる専用の駐車場も用意されています。ただし、一般道から車両で本線に侵入することはできないのでご注意ください。
それではそれぞれのSA・PAの特徴を見ていきましょう
鈴鹿パーキングエリア
鈴鹿PAは三重県鈴鹿市にあります。上下線とも出入り可能なスマートICを併設しています。愛称は「PIT SUZUKA(ピット スズカ)」です。鈴鹿PAはPAとは思えないほど充実した施設があるんですよ。
モータースポーツの街ならではの展示
モータースポーツ都市を宣言した鈴鹿市らしく、F1レーシングカーや8時間耐久レースバイクなど実際レースで使用されたものを定期的に入れ替えながら施設内で常設展示しています。
過去に展示されたマシンは
- スーパーアグリ・SA07
- 鈴鹿8耐参戦車両
- ホンダRVF750(1992年優勝車)
- ホンダCBR954RR(2003年)
- マクラーレン・MP4/7A
- SUPER GT車両
- スーパーフォーミュラ「ダラーラ・SF19」
など、様々なものがあります。
車両の入れ替えの様子をご覧ください。
高速道路最大級の広さのドッグラン
鈴鹿PAのドッグランは700㎡の大・中型犬用と550㎡の小型犬用があり、合わせると高速道路上にあるドッグランの中では最大級の広さを誇ります。大・中型犬と小型犬用でスペースが分かれているので、安心して犬を遊ばせてあげられます。
ドッグランの紹介映像を見てみましょう。
コインシャワーとコインランドリー
引用元:ウォーカープラス
鈴鹿PAには24時間利用できるコインシャワーとコインランドリーもあります。
- コインシャワー:200円で9分間利用可能
- コインランドリー:洗濯機が1回200円(約30分)、乾燥機が100円で10分間使用できます。
運転に疲れたときや小さい子供が服を汚してしまったときなどに利用するといいかもしれませんね。
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土山サービスエリア
土山たぬきがお出迎えする土山SAは滋賀県甲賀市土山町にあります。新名神高速道路の中で唯一の高速バスのバス停が併設されています。パークアンドライドのための専用駐車場もありますよ。
犬も安心、遊歩道で散歩
ドッグランはありませんが、犬同伴で使用できるテラス席やベンチがあります。広い敷地には遊歩道が整備されているので、犬と一緒にお散歩もできます。犬用の水飲み場やゴミ箱やトイレも設置されていて、犬を連れていても安心です。
かわいいマスコットキャラクターを発見しました。
マスコットキャラクター「土山たぬき」
引用元:土山サービスエリア
土山サービスエリア開業10周年を記念として誕生した土山たぬきはかわいい顔と短い足が特徴なんだとか。モチーフは甲賀忍者と信楽たぬきです。実は土山たぬきのテーマ曲もあるんです。
土山SAのイベントの際にはこんなかわいい土山たぬきに会えることもあるそうです。土山SAのサイトには土山たぬきがいろいろな場所にお出かけする動画「土山たぬきが行く!(YouTube)」もあります。
では土山たぬきのお出かけ動画をひとつどうぞ。
他にも動画があるので、ぜひ見てください!
土山SAのイベント
引用元:いこーよ
甲賀農協の協力で行われている甲賀市産野菜マルシェでは、甲賀市内の農家さんが作った甲賀市産の新鮮野菜の販売を毎月第2土曜日・日曜日に特設ブースで行っています。最新の実施日時は土山サービスエリアのサイトのお知らせをご覧ください。
他にもピッツァ作り体験や謎解きや手裏剣投げなど、期間限定のいろいろなイベントが実施されます。イベントの最新情報は土山SAのイベントスケジュールで案内されています。
甲南パーキングエリア
引用元:甲賀市観光ガイド
甲南PAは滋賀県甲賀市甲南町にあります。株式会社忍者の里甲南が運営するPAだけに、施設内には忍者に関するものがいっぱいです。甲南PAには甲南ICが併設されています。ただし、甲南ICから入ると甲南PAは利用できません。反対に甲南PAを経由して甲南ICを利用することもできません。
甲賀ICと甲賀SAは同時には利用できないのでご注意ください。
忍者推しのユニークな施設
引用元:じゃらん
上下線とも施設入口付近に忍者をモチーフにしたからくりアートが設置されており、トリック写真の撮影ポイントになっています。施設内の販売コーナーではゴム製の手裏剣やヌンチャクなど忍者グッズがたくさん販売されていますよ。上り線施設2階の忍者資料館では忍者の隠密行動や道具などの資料が展示されています。
茨木千提寺パーキングエリア
引用元:NEXCO西日本ファシリティーズ
茨木千提寺PAは大阪府茨木市にあります。地元木材を利用した施設になります。トイレと自動販売機のみ設置のシンプルなPAですが、施設外観はとても素敵なデザインです。
隠れたリフレッシュ設備
引用元:Teikin
特に特徴のないPAと思いきや、実は隠れたリフレッシュ設備があるんです。屋外に足つぼを刺激する足つぼ歩道、懸垂ベンチ、脇ストレッチベンチ、背のばしベンチが設置されており、運転で疲れた体をほぐすのにピッタリです。
眠気覚ましにいいかもしれませんね。
宝塚北サービスエリア
引用元:株式会社ノバック
兵庫県宝塚市玉瀬にある宝塚北SAは宝塚モダンがコンセプトの施設が特徴です。宝塚市中心部「花のみち」周辺の南欧風景観を再現しています。店舗面積や駐車場台数も西日本最大規模と何もかもが豪華です。この施設を作り上げるに当たっての宝塚市の注力具合が見て取れますね。
サービスエリアとは思えない華やかさですね。
豪華すぎるトイレ
引用元:宝塚北サービスエリア
宝塚北SAといえばやはり豪華すぎるトイレは外せません。オープン当初、連日のように宝塚北SAのトイレがメディアに取り上げられていました。こんなにトイレが話題にのぼることは珍しいですよね。これほどのトイレは他の施設でもなかなかないのではないでしょうか。
宝塚歌劇団の衣装や手塚治虫作品
引用元:宝塚市
施設内は天井が高く、外観と同じく華やかな作りです。宝塚歌劇団で実際に使用されていた衣装や手塚治虫作品のオブジェなどが常設展示されています。『ベルサイユのばら』(池田理代子・集英社)や手塚治虫作品のキャラクターを使用した宝塚ならではのお土産も多数あります。
宝塚北SAにはドッグランもありますよ。
芝生のドッグラン
引用元:NEXCO西日本
広さ480㎡の広々とした芝生のドッグランで、小型犬から大型犬まで遊べるものになっています。ドッグラン内には素敵なテーブルとベンチもあるので、愛犬が遊ぶのをゆっくりと眺められそうです。他にも犬用トイレや水飲み場なども完備されています。
ただ、日によっては混み合うこともあるそうです。
新名神の未開通エリアの進捗状況(2024年11月現在)
引用元:NEXCO西日本
工事はどこまで進んでいるのでしょうか?
新名神の全線開通は2023年度といわれていましたが、台風や水害の影響で2024年度に延期に。2022年3月に全線開通はさらに3年延期されたと発表されました。現在は2027年度全線開通を目処に工事を急いでいるようです。(2024年11月時点)
大阪東エリア(八幡京田辺JCT・IC~高槻JCT・IC)
3年延期の原因は主にこのエリアにあります。
延期になった原因
- 枚方トンネル東側坑口部付近の用地の取得に時間がかかった
- 同じ東側坑口部付近で基準値の2倍以上の濃度の鉛が地下の土壌から検出された
- 同じ東側坑口部付近で地中からなんらかのコンクリート構造物が出てきた
- 砂礫層が予想以上に固く工事用の機械が動かなくなり工法の変更を余儀なくされた
こういったことが原因となり工程精査の結果、開通目標が2027年度(令和9年度)に見直されました。
引用元:NEXCO西日本
※上の進捗状況の画像は2022年1月27日現在のものです。
京都・大津エリア(大津JCT(仮称)~城陽JCT・IC)
新名神高速道路の京都・大津エリア開通は2024年度予定でしたが、地盤の堅い所などが見つかりこちらも工事が遅滞しています。2024年度内の開通は困難とのこと。(2024年11月現在)
まとめ
ポイントまとめ
- 利用可能なSAとPAは『鈴鹿PA』『土山SA』『甲南PA』『茨木千提寺PA』『宝塚SA』
- 2027年度全線開通を目処に工事を急いでいる
新名神高速道路は未開通区間があるものの、すでに利用できるSAやPAは遊びに行きたくなる施設やイベントが満載です。全線開通した際には、さらに城陽SAと新名神大津SAが加わり、ますます魅力が増していくでしょう。
これまで高速道路というとどこかに出かけるために使用するものでした。一般道路から利用できる高速道路上の施設も増えています。今後は高速道路上の施設に遊びに行くという選択肢もありだと思います。ぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか?