かつて「○○市」や「○○町」として存在した市町村では、市町村合併などの理由で自治体が吸収されたところがあります。滋賀県内でもかつては伊吹町(米原市に合併)、信楽町(甲賀市に合併)が単独で存在していました。

そして滋賀県の甲賀市に水口(みなくち)という地名があります。水口にはかつて水口町だったのです。

滋賀太郎
滋賀太郎

皆さまは水口がどんなところかご存じでしょうか。「イメージがつかないな」と思う方もいるでしょう。

水口にはどんな魅力があるのか、気になります!

近江びわ子
近江びわ子

そこで今回は、滋賀県内でかつて町だった水口を、注目ポイントも交えながら紹介していきます!

滋賀「水口」ってどんなところ?

まず水口について説明いたします。

水口は滋賀県甲賀市水口にあり、滋賀県南東部に位置しています。水口町として存在していましたが、2004年の市町村合併で甲賀市に併合されました。

水口町

  • 面積は68.93 km2
  • 人口は約38,864人
  • 町の木はヒノキ、町の花はサツキ、町の鳥はキジ

交通面においては貴生川駅(JR草津線、信楽高原鉄道信楽線、近江鉄道本線)が中心駅で、近江鉄道本線の水口駅、水口城南駅があり、地元の利用客や観光客の利用を支えています

また水口町時代に、栃木県壬生町と姉妹都市提携しています。

参考:Wikipedia|水口町

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水口の歴史を紹介!

次に水口の歴史について説明いたします!

もともと水口は平安時代、都(京都)から伊勢国(現在の三重県)へ結ぶ街道の要所でした。また中世では東海道(鈴鹿越えのルート)が通っており、水口では水口宿として宿場町が置かれました。水口宿は遠方から来た旅人などを休憩・宿泊する役割を担っていたといわれています。

そして安土桃山・江戸時代に入ると城が築城され、藩が置かれていたのです。

水口の歴史の変遷

詳しくまとめたのが下記です。

変遷

  • 平安時代、京の都から伊勢国まで結ぶ街道の要所であり、宿場町水口宿の原型となっている。
  • 1585年、中村一氏(豊臣家家臣で三中老の一人、)が水口岡山城を築城し、後に増田長盛(豊臣家家臣で五奉行の一人)や長束正家(豊臣家家臣で五奉行の一人)が城主として務めている。
  • 1600年、水口岡山城主だった長束正家が関ヶ原の戦いで西軍に属し、敗れて改易・切腹し、水口岡山城は廃城となった。
  • 江戸時代に入ると水口は江戸幕府の直轄地となり、水口宿が置かれ東海道を通る宿場町として指定された。
  • 1682年には加藤明友(外様大名、賤ケ岳の七本槍の一人として活躍した加藤嘉明の孫)が水口2万石を与えられ、水口藩が成立した。
  • 加藤氏の後は鳥居氏(江戸幕府の譜代大名)が一時水口藩主になるも、再び加藤氏(明友)が水口藩主に就任し、そのまま明治維新を迎えた。
  • 明治時代に入ると廃藩置県で水口県が誕生するも廃止され、村を経て水口町が誕生した。
  • 2004年の市町村合併で甲賀市に吸収された。

宿場町として指定され、交通面で重視されていたのがわかりますね。一時は藩だけではなく、廃藩置県で県だったのは驚きです!

参考:水口宿の古い町なみ|甲賀市観光ガイド
参考:水口城資料館 水口城跡|甲賀市観光ガイド
参考:甲賀市ホームページ|国史跡 水口岡山城跡について/甲賀市

水口の観光名所

最後は水口の観光名所について簡単に紹介します。

宿場町や水口藩の歴史がある水口。多くの歴史的な建物は失われてしまいましたが、その面影は今でも残っている名所があります。

3つのオススメな観光名所

オススメ観光名所3つ

  1. 水口岡山城跡
    戦国時代に中村一氏、増田長盛、長束正家が城主だった城。後に国の史跡に登録される。
  2. 水口城跡
    水口藩としての歴史がある城。後に県指定史跡に指定されており、水口城資料館が一番の目玉である。
  3. 大岡寺
    天台宗の寺院。奈良時代の686年に諸国を行脚していた行基によって開山された。木造阿弥陀如来立像(平安時代)、木造千手観音立像(鎌倉時代)が国の重要文化財に指定される。

水口は戦国・江戸時代からの名残で城跡が残されています。また水口城跡には資料館があり、水口の歴史を学ぶことができます。

滋賀太郎
滋賀太郎

この他にも、飯道寺(天台宗)や大池寺(臨済宗)などの寺院が点在しています。歴史や文化に興味を持つ方には、ぜひ訪れてみて頂きたい場所です!

参考:滋賀・びわ湖観光情報|水口城跡(水口城資料館)
参考:滋賀・びわ湖観光情報|古城山(水口岡山城跡)
参考:滋賀・びわ湖観光情報|大岡寺

まとめ

今回は滋賀の「水口」について紹介させて頂きました!

  • 人口が約38,864人で、かつては水口町という地名があった。
  • 交通面に適した土地で、江戸時代では藩庁が置かれていた。
  • 主に城跡・寺院が多く、水口の歴史の名残が残されている。

現在では水口は甲賀市に合併されています。戦国・江戸時代ゆかりの城跡や奈良・平安時代に建立された寺院など、歴史的な建物もいくつか現存しており保存されています。また鉄道などアクセス面でも良いことが水口の特徴です。

ご興味の方は、ぜひ実際に訪れてみてくださいね! 最後までお読みいただきありがとうございます。