事件が発生しても犯人が特定されない・逮捕されていない刑事事件である“未解決事件”。

殺人や強盗など事件の捜査や捜索が行き詰まったり、公訴時効が成立して未解決事件になったケースがあります。

日本でも三億円事件(東京)や青酸コーラ無差別殺人事件(東京、大阪)、警察庁長官狙撃事件(東京)などが発生しています。

また近江屋事件(京都、坂本龍馬・中岡慎太郎らが暗殺)や下山事件(東京、事件当時の国鉄総裁が不審死)、松川事件(福島、国鉄東北本線で発生した列車往来妨害事件)などが歴史上の未解決事件として教科書に掲載されています。

そして滋賀県にも未だに未解決な事件が存在しております。あまり滋賀県の特筆すべきな未解決事件についてイメージがつかないでしょう。

この記事では滋賀県で発生した2件の未解決事件をご紹介し、要点を含めてご説明いたします。

滋賀の未解決事件

滋賀県に関係のある未解決事件の中でも、全国的に知られているものがこちらの2つです。

  • 東海道新幹線墨子事件(1993~2000年)
  • 琵琶湖バラバラ殺人事件(2008年)

滋賀の未解決事件1: 東海道新幹線墨子事件

画像はイメージです

1件目は滋賀県などで発生した東海道新幹線墨子事件です。

東海道新幹線墨子事件は1993年から2000年の7年間で発生した東海道新幹線に関連し、東海道新幹線を運営するJR東海が脅迫文や犯行声明を送り付けられた事件です。

主に滋賀県・岐阜県・愛知県で犯行予告の対象とされました。

事件の由来である「墨子」は中国の戦国時代に活動した諸子百家の1つである墨子(墨家の開祖)であり、その名前を犯人が使用していました。

岐阜・滋賀・愛知で発生した事件の要点

ここからは岐阜・滋賀・愛知で発生した事件の要点を踏まえながらご説明します。

要点

  • 1993年6月10日、岐阜県不破郡関ケ原町の東海道新幹線上り線にて線路上にあった長さ約11m、直径約1cmのワイヤロープが車輪で切断される事件が発生した。
  • 現場ではロープは何重にも束ねてレールに巻かれ、留め金で固定されていた。
  • 現場から約50mに離れたフェンスに「墨子」を名乗って政治の不満を書いた犯行声明が残されており、警察は電車転覆を狙った犯行として捜査を開始。
  • 1993年8月28日、滋賀県彦根市の東海道新幹線下り線で東京発新大阪行きのぞみ303号がレールに巻かれた鉄製チェーンによって一時停車する事件が発生した。
  • 幸いにも車内の乗客・乗務員にはケガがなかった。
  • 現場近くに「墨子」を名乗って政治への不満を書いた犯行声明が残されている。
  • 2000年4月24日、JR東海の名古屋駅に「墨子」を名乗って現金5億円を要求する脅迫文が送りつけられる事件が発生した。
  • 脅迫状には5月2日に電話番号先の京都府内にあるホテルに金を持ってくることを要求していたが、その場所に犯人は姿を見せなかった。
  • 墨子を名乗る犯行声明の筆跡によって、3件とも同一人物が起こしたとして判断された。
  • 現場に残された遺留品の販売ルートなどを手掛かりに捜査を続けるも、有力な容疑者は浮かないまま未解決事件となっている。

東海道新幹線に関連し、明確な動機もほぼ不明なままの東海道新幹線墨子事件。幸いにも人命を失うような被害者は出ませんでしたが、3件とも公訴時効が成立し、未解決のまま捜査は終了しました

参照

▽滋賀の事件は他にも発生しています

滋賀の未解決事件2:琵琶湖バラバラ殺人事件

画像はイメージです

2つ目は滋賀県近江八幡市を含む琵琶湖の沿岸部で発覚した琵琶湖バラバラ殺人事件です。

2008年5月に近江八幡市・東近江市・大津市・草津市の湖岸で男性のバラバラ遺体が発見されました。琵琶湖の沿岸部で発覚されたことが事件の名前の由来になっています。

琵琶湖バラバラ殺人事件の要点

琵琶湖バラバラ殺人事件の要点をご説明いたします。

要点

  • 死因は首を絞められたことによる窒息死で、遺体はバラバラに切断されている。
  • 警察は殺人・死体遺棄容疑で捜査を開始した。
  • 事件から10年後に被害者の身元が判明し、被害者は野洲市に住む39歳の男性である(職業は不明)。
  • 現在も捜査中で、未解決事件となっている。

琵琶湖の湖岸にバラバラな状態の遺体が発見され、全国に知られた琵琶湖バラバラ殺人事件。被害者の身元がようやく判明しましたが、身元判明に10年かかったのも、現場付近に手掛かりがあまりなかったのが原因でした。

現在は犯人が特定されておらず、未解決事件となっています。

参照

まとめ

以上で全国的に知られ、滋賀県内で発生した2件の事件をご紹介させていただきました。

今回の記事でまとめさせていただくと…

  • 事件1:東海道新幹線に関連し、明確な動機もほぼ不明な東海道新幹線墨子事件。
  • 事件2:いまだに未解決状態の琵琶湖バラバラ殺人事件。

この2件の事件に共通するのは真犯人・動機が不明なことです。全国的に報道された後に約10年以上経過しても、事件の真相は現在も明らかになっていません。