滋賀には古くから残る史跡や寺社仏閣がたくさんあります。彦根城、延暦寺、三井寺、日吉大社、竹生島など。これらのうち、なんと世界遺産になっているものがあるのはご存じでしょうか?
国内の話だけではなく、世界ですか! 「地球に暮らすみんなで大事にしたい」くらい、価値のあるものということです? ビッグすぎて想像がつきません!
そうですね!たとえば、米国の「グランド・キャニオン国立公園」、中国の「万里の長城」などが挙げられます。
さて、滋賀が世界に誇る遺産とはどれでしょうか? 国宝との違いも紹介していきますね! ぜひ最後までご覧ください。
※ 掲載の情報は記事作成時のものです
【答え】滋賀の世界遺産
滋賀にある世界遺産は、ずばり「比叡山延暦寺(ひえいざん-えんりゃくじ)」です! 比叡山は県境に位置しているため、滋賀県単独ではなく「古都京都の文化財 京都市・宇治市・大津市」として登録されています。
世界遺産とは
ユネスコで成立した条約により、リストに登録された世界各地の物件のこと。種類に応じて「文化遺産」「自然遺産」と分けられることも。
人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことで、移動が不可能な不動産が対象となっている。
参考:滋賀県|文化財保護
延暦寺について
- 住所:滋賀県大津市坂本本町4220
- 交通アクセス:ケーブル延暦寺駅から徒歩
- サイト情報:比叡山延暦寺|公式サイト
世界遺産に登録されたのは、1994年(平成6年)です。
延暦寺は天台宗のお寺で、今から1200年以上昔の788年(延暦7年)に建てられました。何度も寺院同士の抗争や戦火の渦中となり、そのたびに焼失。ついには織田信長にも焼き討ちされました。
その後31名の僧たちによって再興に向けた寄付が募られ、1584年(天正12年)に羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)から再興の許可を得て再建されています。
再興にあたり、徳川家康・伊達政宗といった有名な歴史人物も助力していたのだとか! 歴史が現代まで地続きになっているのを感じますね!
▽ 詳しい情報はこちらの記事をご覧ください!
世界遺産になるのってどう良いの?
世界に名を知られる世界遺産リストに登録されるのは、大変名誉なことですよね。登録されると具体的にはどんなことが起こるのでしょうか?
実は、メリット・デメリットの両方が考えられます。
登録したからといって、ユネスコ自体からは特に補助金などは出ないようです。
メリット
- 「保護しよう!」「次世代に残していこう!」という機運になる
- 観光地としてのアピールになる
登録されたことを機に、今まで以上に守っていく対象として認識されやすくなります。また、「世界遺産」の名前を掲げられることで注目度も上がるでしょう。
ただし、観光の注目度は登録直後は跳ね上がりますが、その後はさほど伸びないともいわれているようです……。
寺社仏閣は宗教側面も強いため、信仰によっては訪れにくい場所かもしれませんね。
デメリット
- 守る義務も生じる
- 観光地化の過程によっては、景観などが損なわれるおそれ
登録されたことで、かえってマイナス要素が生じることもあるようです。「保護第一になって、安易に工事ができない」「これまで静かな場所だったのに、観光客が増えて騒がしくなってしまった」など、地域住民や昔からの利用者には懸念もあるかもしれません。
まだ増える?世界遺産の暫定リスト登録のお城も
世界遺産には登録されていないけれど、【暫定(ざんてい)】として日本が推薦準備している場所は「彦根城」です。
参考:文化庁|世界遺産暫定一覧表記載資産準備状況報告書(PDF)
参考:滋賀県|知事談話|世界遺産登録を目指す彦根城について
暫定とは、「一時的な仮決め」のことです。
暫定リストに登録
彦根城が「世界遺産の暫定」となったのが、1992年(平成4年)のこと。今から約32年前ですね。日本では同年にユネスコの条約に同意しており、そこから順次、暫定リストにのっとって推薦を行っています。
暫定リストに登録されたからといって、すぐに世界遺産間近というわけではないのですね……。
彦根城の世界遺産登録までの目標は「2027年」ごろ?
現在のところ、世界遺産登録への目標は2024~2027年頃となっているようです。準備は進められているのです!
結果がどうなるか待ち遠しいですね。
▽ 彦根ってどんなところ? こちらの記事で見どころ情報を紹介しています!
国宝との違い|滋賀には国宝がたくさん!
滋賀には、国指定の国宝・重要文化財が約186個あります!
世界遺産と国宝の違い
国宝とは
日本国内の文化財保護法によって指定されたものが重要文化財であり、その中から「世界的に価値が高い」と【さらに厳選して判断されたものが国宝に指定】されています。
世界遺産はユネスコ条約によって選ばれますが、国宝の基準はあくまで「国内」にあります。
基準は違うけれど、どちらも「世界文化にとって価値があるか」の視点から選ばれているのは、一緒なんだね!
滋賀の国宝(例)
全部挙げるのは大変なので、ここでは特に有名なものをいくつかピックアップして紹介します。
- 彦根城
- 石山寺(本堂・多宝塔)
- 金剛輪寺(本堂)
- 長寿寺(本堂)
- 竹生島(神社の本殿)
参考:滋賀ツーリズムオフィシャルWebサイト|世界遺産・国宝
まとめ
この記事では、滋賀の世界遺産について紹介しました。
ポイント
- 滋賀にある世界遺産は延暦寺
- 暫定リストには彦根城が登録され、推薦準備されている
ユネスコへの登録は2024年現在のところ、滋賀ゆかりの場所は延暦寺だけです。しかし、推薦結果によっては今後増える可能性もあります。
県内には国宝や重要文化財も数多く現存しているので、みんなで末永く大切に残していきたいものですね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。