お花見もいいけれど、味覚で楽しむ春もいい♪
美味しい春のお料理レシピ これぜんぶ山菜料理です。
写真:長 真奈美
春の使者「山菜」
春の代表的な風物詩といえば、真っ先に「桜」を思い浮かべがちですが、負けず劣らずのものが「山菜」です。
山だけでなく、街中の至るところで咲き誇る桜の華やかさに比べると、山奥で小さくひっそりと姿を現す山菜は、どうしても地味に感じてしまいますよね。
しかし、山菜には「春の使い」という洒落た呼び名があることをご存知でしたか?
開花していない間でも一目でその存在を確認できる桜と違って、山菜は寒い冬の間はずっと土の中で耐え、暖かくなって地上に出ても大丈夫だと判断できる雪解けの時期に、その姿を地上に現します。
山菜の方が桜よりも、冬の終わりと春の訪れをはっきりと感じさせてくれるということですね。
まずは山菜を知ろう
春に旬を迎える山菜には、様々な種類のものがあります。こちらでは滋賀県で3月から6月にかけてよく採れる山菜をご紹介します。
どれも、カラダが喜ぶ健康作用が期待できるものばかりです。
ふきのとう
群生地:水気のある平地や山間部の地面
時期:3月下旬~4月
期待できる効用:むくみ解消、肝機能の強化、健胃効果など
ぜんまい
群生地: 山中や湿った茂み時期:4月~5月
期待できる効用:デトックス、生活習慣病の予防、ドライアイ予防、肌荒れ予防など
たらの芽
群生地:日当たりがよい、里山や林道など
時期:4月~5月上旬
期待できる効用:高血圧対策、強精作用、健胃効果など
山うど
群生地:山中の斜面
時期:5月~6月
期待できる効用:頭痛や歯痛の緩和、精神安定、解熱、デトックス、老化予防など
山にんじん
群生地:湿気があり落ち葉などがある肥えた土壌。
時期:4月~5月
期待できる効用:冷え性や肩こりの改善、美肌など
こごみ
群生地:日当たりのよい、水源の近くの斜面や崖下など
時期:3月下旬〜4月
期待できる効用:整腸作用、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防、骨を丈夫にするなど
わらび
群生地:日当たりの良い山の乾燥地
時期:5月下旬〜6月
期待できる効用:がんや生活習慣病の予防、貧血対策、二日酔い予防など
動物だって
本能で食べる。
生物の強い
原動力、山菜。
なぜ私たちは、苦味の強い山菜を他の雑草と同じようには扱わず、春先に食べるようになったのでしょうか。実はこれには、動物としての本能が関係していると考えられます。
冬眠から目覚めたクマが初めに食べるものも、山菜の一種であるクマササという植物です。クマササには、クマが冬眠前に大量に摂取した体内に余った古い養分を消化させ、寝ている間に鈍ってしまった体に刺激を与える効果があるからだと言われています。
日本人も同じで、春先には、寒い冬を乗り越えるために溜め込んだ脂肪や、運動不足により蓄積された老廃物を排出し、活性化させる必要があります。昔の人の経験と知恵から、その働きをしてくれる山菜を食べていたのでしょう。
つまり、好き嫌い関係なく、春から頑張りたかったら山菜を食べるべし!季節物が体に良いとはこういうことを意味するのです。
はずせない、定番山菜レシピ
およそ〈 2人分 〉
山菜料理と聞いて多くの方が思い浮かべる品々は、昔から伝わる日本の伝統料理でもあります。
山菜そのものの美味しさを引き立てた、はずせない定番の逸品をご紹介いたします!
山菜の風味抜群!山菜の炊き込みご飯
「材料」
米・・・2合
わらび・・・3本
なめこ・・・少々
●人参・・・3センチ
●こんにゃく・・・少々
●油揚げ・・・少々
◇白だし・・・大さじ2
◇砂糖・・・少々
◇ガラスープ・・・少々
「作り方」
①アク抜きしたわらびは3センチ程の
食べやすい大きさに切り、
●も千切りにしておく
②研いでおいたお米に、切った
食材と◇を入れて、2合の線ま
で水を足して炊く
和えるだけでとっても簡単!こごみのごま和え
「材料」
こごみ・・・5本
ごま・・・少々
●すりごま・・・大さじ1
●白だし・・・ 小さじ1/2
●砂糖・・・少々
●醤油・・・少々
「作り方」
①●の材料を混ぜる
②①とアク抜きしたこごみを和えてごまをふりかける
昔なつかし母の味!ぜんまいと厚揚げの煮物
「材料」
ぜんまい・・・5本(10センチほど)
厚揚げ・・・1個
●白だし・・・大さじ1と1/2
●砂糖・・・小さじ1/3
●水・・・300cc
「作り方」
①厚揚げを1/2の大きさに切る
②アク抜きしたぜんまいは10センチほどの長さに切る
③小鍋に●の材料を入れ、沸騰したら①・②の材料を入れ て5〜10分煮る
ほろ苦さと酢味噌の甘さが絶妙!うどの酢味噌和え
「材料」
うど下部分・・・5センチ
きゅうり・・・10センチ
●お酢・・・大さじ1
●味噌・・・大さじ1と1/2
●砂糖・・・小さじ1/2
「作り方」
①アク抜きしたうどは縦に3ミリほどの薄さに切る
②●を混ぜる
③ ①に②をかける
晩酌のあてにピッタリ!ぜんまいのキムチ和え
「材料」
ぜんまい・・・3本
きゅうり・・・10センチ
●キムチ・・・150グラム
●白だし・・・小さじ1/2
●ごま油・・・少々
「作り方」
①アク抜きしたぜんまいは3〜4センチ幅に切る
②きゅうりを2センチ幅に切り、塩をかけて5分ほど置き、サッと 水で洗い水気を切る
③ジップロックの袋に①・②の材料と●を入れ、軽く揉む
もう一品ほしい時におすすめ!うるいとひじきの炒めもの
「材料」
うるい・・・5本
芽ひじき・・・戻したもの小さじ1
サラダ油・・・小さじ2
創味シャンタン・・・小さじ1
「作り方」
①うるいの葉の部分を切り落とし、一枚一枚は がして丁寧に洗う
②2センチ幅に切り、サラダ油を熱したフライパン で炒める
③油が回ったらひじきも加え、創味シャンタンを加 えてさっと炒め合わせる
ごはんのお供に!ふきのとう味噌
「材料」
ふきのとう・・・20粒
●味噌・・・50g
●みりん・・・大さじ2
●砂糖・・・大さじ1
「作り方」
①●を混ぜておく
②アク抜きしたふきのとうをみじん切り にする
③小鍋に●を入れ火にかける
④沸騰したら②を入れさっと火を通す
山菜料理の代表格!ほろ苦さを楽しむ山菜の天ぷら
「材料」
山菜(今回使ったのは)
うるい、ふきのとう、こごみ、うど、たらの芽
天ぷら粉・・・適量
「作り方」
①天ぷら粉を表示の分量の水で溶かす
②衣をつけて、油であげる
見栄えが可愛いアレンジ山菜料理
およそ〈 2人分 〉
山菜料理は地味?田舎料理?そんなイメージを覆す、
今日から早速真似したくなるような品々をご紹介いたします。
パーティー料理にいかが?洋風山菜ジュレ
「材料」
うどの茎部分・・・5センチほど
きゅうり・・・5センチ
ハム・・・2枚
黄パプリカ・・・1/6個
コンソメキューブ・・・2個
水・・・250cc
粉ゼラチン・・・2本
「作り方」
①アク抜きしたうど・きゅうり・ハム・黄パプリカを、それぞれ1センチ角のみじん切りにしておく
②沸騰したお湯(250cc)にコンソメを3個入れ、溶けたら火を止め て粉ゼラチンを混ぜる
③タッパーなどの容器に①と②を注ぎ、粗熱が取れたら冷蔵庫で1時間ほど冷やし固める
女性にオススメ!こごみと
ミニトマトのマリネ
「材料」
こごみ・・・5本
ミニトマト・・・5〜6個
【マリネソース】
お酢・・・大さじ1
ポッカレモン・・・数滴
オリーブオイル・・・大さじ2
はちみつ・・・小さじ1/2
塩こしょう・・・2振り程度
ブラックペッパー・・・1振り程度
「作り方」
①アク抜きしたこごみと
ミニトマトにマリネソースをからめる
うるいで免疫力UP!うるいとチキンの
コンソメスープ
「材料」
うるい・・・2束
大根・・・1/8本
人参・・・3センチほど
コンソメキューブ・・・2個
水・・・500cc
「作り方」
①うるいは5センチ幅に切り、大根・人参は千切りにする
②小鍋に500ccのお湯を沸かし、大根・人参・コンソメキューブ を入れて中火で10分煮る
③うるいを入れて、サッと火を通す
編集部オススメNO.1山菜のアヒージョ
「材料」
ふきのとう・・・4個(アク抜きし水気を切ったもの)
たらの芽・・・4個(アク抜きし水気を切ったもの)
むきエビ・・・4尾
プチトマト・・・2個
塩こしょう・・・少々
●にんにくチューブ・・・5センチ程
●オリーブオイル・・・300ml
「作り方」
①小さめのフライパンか鍋に●を入れ、弱火で焦がさな いようにオイルに香りをつける
②エビを加えて中火で煮る
③エビの色が変わったら、たらの芽とふきのとうを加え、 最後に塩こしょうで味を整える
大人のスイーツ!ふきのとう味噌と白あんのどら焼き
「材料」
ふきの葉・・・1枚分
◇ホットケーキミックス・・・100g
◇卵・・・1個
◇豆乳・・・130ml
●白あん・・・250g(黒餡でも可)
●ふきのとう味噌・・・お好みで
「作り方」
①アク抜きしたふきのとうの葉と豆乳30mlをミキサーにかける
②①と◇の材料を混ぜる
③油を引いたフライパンに②を乗せ、中火にかけて焼く
(ホットケーキの作り方と同じ)
④●を混ぜる
⑤③で焼きあがった生地に●を挟む
育ランチに最適!うるいと
エビのパスタ
「材料」
うるい・・・1束
エビ・・・5尾
ベーコン・・・3枚
パスタ・・・200g
塩・・・少々
創味シャンタン・・・小さじ1
マーガリン・・・少々
オリーブオイル・・・少々
「作り方」
①大きめの鍋にお湯を沸かし、塩少々を加えてパスタを茹でる
②フライパンを熱し、オリーブオイルでベーコン・うるい・エビの順に炒めて火を止める
③茹で上がったパスタをフライパンに入れ、火をつけシャンタンを加えて絡める
④最後にマーガリンを少々加える
大人も子どももはまっちゃう?バニラアイスの
ふきジャム添え
「材料」
ふき・・・15センチ
砂糖・・・大さじ5
ポッカレモン…小さじ1/2
「作り方」
①アク抜きしたふきを5ミリ角のみじん切りにする
②小鍋にふき・砂糖・レモンを入れたら中火にかける
③ふきが煮詰まって来たら火を止める
④バニラアイスに添える
クリーミーな優しい一品 鯛のソテーふきソースがけ
「材料」
鯛・・・1切れ
●ふき(アク抜きしたもの)
・・・5本(10センチくらい)
●豆乳・・・200cc
●味噌・・・ 大さじ1と1/2
●こしょう・・・少々
オリーブオイル・・・少々
①●の材料をミキサーにかける
②鯛はサッと水で洗ってキッチンペーパーで水気を取り、身が 縮まらないように皮に切り目を入れ塩こしょうを振る。
③焼きあがった鯛に①のソースをかける
料理をする前の下処理について
山菜は生で食べるにはえぐ味が強すぎるため、塩で茹でたり重曹に浸したりしてアクを抜く必要があります。
半日から一日冷水にさらしておくのが望ましいので、山菜を調理される前はひと手間入れる時間を忘れずに。
※ぜんまいは生で売られていることが少ないので省略しています。
わらびの下処理
①バラつかないように、根元を1束づつ輪ゴ ムで止める。
②鍋などの大きめの入れ物にわらびを入れ、 重曹をふる。
(わらび500gに対して水1リットル重曹 小さじ1〜2)
③お皿などを重石代わりに乗せて、わらびが 浸かる程度まで熱湯をかける。
④そのまま一晩おく。
うどの下処理
①土の付いている根元を切り落とし、
よく洗って葉と茎に切り分ける。
②鍋に湯を沸かして塩を少々を入れ、先に茎をゆでる。
③太いものから入れて、中まで火が通るまで
2~5分程度煮る。
④鍋から取り上げて、3分程度流水に浸す。
⑤茎の切り口に包丁を充て下に少し滑らせると、
ひっかかるところがあるので、そこを指で押さえて
包丁とともに下にひいて皮をむく。
⑥2つのボウルに水を張って、酢大さじ1/2ずついれ、皮 と茎をそれぞれ剥いてすぐからボウルに入れておく。
うるいの下処理
①茎と歯を切り分ける
②茎から先に塩を加えた熱湯でゆでる。
③茎は10~15秒、葉は3~5秒ほどでざるにあげる。
④冷水にさらす。
たらの芽の下処理
①水洗いし、根元のかたい部分を切り落とす。
②ハカマを取る。
③根元に切り込みを入れる。たらの芽が大きい場合は 半分に切る。
④熱湯に塩少々を入れ、たらの芽を鮮やかな色になる まで30秒~1分ゆでる。
⑤冷水にさらす。
ふきのとう・こごみの下処理
①ふきのとうは外側の皮と根元を切り落とす。
②丸まっている部分は汚れがたまりやすいので、 水の張ったボウルに入れて、丁寧に洗う。
③塩を加えた熱湯で2分程度ゆでる。
④冷水にさらす。
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