日本では人が亡くなれば必ず病院や警察に通報し、また、死亡した事実を届け出なければいけません。死体遺棄もれっきとした犯罪行為です。

もし、身内が亡くなったことを誰にも告げず、遺体も隠し続けていたとしたら……?

2025年に滋賀県の長浜市で発覚した、「冷凍庫」への【死体遺棄】事件がありました。事件の概要・経緯・判決がどのようなものであったのかお伝えします。

概要

2025年(令和6年)4月、滋賀県の長浜市の民家から、成人女性(Mさん)の冷凍された遺体が発見された事件です。

まず大阪府堺市の民家で別の夫婦の自殺があり、そこに残されていた遺書に「長浜市の民家に遺体がある」旨の記述があったことから、警察により滋賀県の民家にも捜査が入りました。そして、遺書の記述の通り、遺体が【冷凍庫】の庫内から見つけられたのです。

発見時には、死亡からすでに4年半が経過した状態でした。

被害者Mさんと遺棄現場である民家の住人は元親族関係にあり、堺市で自殺した夫婦と、被害者の夫も親族関係。3つの親族世帯がからんだ、身内間での事件だったのです。

Mさんは死亡当時53歳。生前、親族である犯人らから暴力を受けていたそうです。死亡後、遺体を遺棄することで死亡した事実も隠匿されていました。

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経緯・詳細

経緯

被害者Mさんが死亡し遺棄されるまでと、事件が発覚するに至るまでの間を、4年半の歳月が隔てていました。

【~2021年ごろ】

・Mさんへの暴力が始まる。Mさん宅に介護ヘルパーが来ることから、暴力が発覚しないよう長浜市の民家に移される
・容体が悪くなり、長浜市の民家でMさんが死亡(死因不明)
・冷凍庫を購入して遺体を入れ、そのまま長浜市の民家で遺体を保管し、隠匿

【事件の発覚】

  • 2025年4月1日の夜:大阪府の堺市の民家で、50代の夫と70代の妻が死亡状態で発見される(クローゼット内で自殺とみられる)
  • 同年 4月2日:遺書の記述をもとに警察が滋賀県・長浜市の民家を捜査し、遺体(Mさんと判明)を冷凍庫から発見
  • 同年 4月3日:遺体が発見された民家に住む70代・40代の親子と、Mさんの60代の夫を、死体遺棄容疑で逮捕
  • 1週間後~:司法解剖で改めて身元が確認され、死体遺棄罪でMさんの夫・死体遺棄ほう助の罪で民家の親子が起訴された

詳細

4月1日に死亡状態で発見された70代の女性が、親族内で支配力をもっていたと考えられています。

【金銭の差出し】

この事件で逮捕に至った3人(Mさんの夫と、遺棄現場である民家の親子)は、支配力を持っていたこの70代女性に対して、収入や年金の一部、借金で得たお金などの金銭も渡し続けていました。

【暴力】

そして、この70代女性の指示で、被害者Mさんが周囲の親族から暴力を受けていたようです。Mさんの死亡後も通報などされずに遺体が隠されました。

【近隣との交流は無かった】

Mさんの自宅や、長浜市の遺体が隠されていた住宅は、どちらも近隣の住民たちとの交流もほとんど見られなかったそうです。

判決

2025年11月、逮捕された3人(Mさんの夫と、遺棄現場である民家の親子)の裁判が行われました。

  • 被害者Mさんの夫:懲役1年(執行猶予3年)
  • 遺棄現場である民家の親子:懲役10ヵ月(執行猶予3年)

3人いずれも前科が無いことと、反省・謝罪の様子が見られることなどから、執行猶予付きの判決となりました。

まとめ

この記事では、2025年に長浜市で発覚した、冷凍庫への死体遺棄事件をお伝えしました。

暴力や遺棄の現場となった2つの民家はどちらも、地元のコミュニティーの輪から外れ、外からは内情がわからない暮らしであったそうです。亡くなって後にも冷凍庫へ押し込め、亡くなった事実さえ隠し続けられていました。

発見までの4年半もの時間を思うと、恐ろしく、そして無念でなりません。