日本の犯罪史に発生する殺人、強盗、窃盗、誘拐などの“事件“が新聞やニュースでよく耳にするでしょう。

日本中には全国的に知られた事件が発生しております。たとえば殺人なら坂本弁護士一家殺害事件、強盗ならルフィ広域強盗事件、窃盗なら三億円事件、誘拐なら吉展ちゃん誘拐殺人事件など。

そして滋賀県にも全国的に認知されるほどの事件があります。「滋賀で有名な事件?」と疑問に思う方もいるでしょう。

この記事では滋賀県で発生した事件の中から3件をあげ、要点を交えながら説明させていただきます。

滋賀の有名な事件1:大津事件

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最初の1つ目は1891年(明治24年)5月11日昼頃に滋賀県滋賀郡大津町(現在の滋賀県大津市)で発生した大津事件です。

日本に訪問し遊覧中だったロシア帝国(現在のロシア連邦)のニコライ・アレクサンドロヴィチ・ロマノフ皇太子(後のニコライ2世)が滋賀県警巡査の津田三蔵に斬りつけられた事件です。ニコライ皇太子は乗っていた人力車から飛び降り、負傷しながらも命に別条はありませんでした。

一方の津田は人力車の車夫2人によって取り押さえられました。凶器はサーベルを使用しており、白昼堂々での犯行といわれています。

大津事件の要点をご説明いたします。

大津事件の要点

  • 犯人である津田の動機はロシアの強硬な姿勢に反発したからだといわれている。
  • ロシアの報復を恐れた日本政府は津田に対して死刑にしようとしたが、当時の大審院(今の最高裁判所)院長である児島惟謙が法に反することで拒否した。
  • 法を順守する児島惟謙の反発によって、犯人の津田は無期徒刑(今の無期懲役)が言い渡された。
  • ロシア側はこの裁判の結果に対して賠償要求も武力報復もしなかった(当時のロシア帝国皇帝やニコライ皇太子が日本に対して寛容な態度で示したから)。
  • この事件によって当時の外務大臣である青木周蔵と内務大臣である西郷従道が責任を取って辞任した。
  • 児島惟謙の行動によって日本の司法の独立を維持し、三権分立の意識がより高まった。

国際問題になる寸前だった大津事件。当時の国民も「ロシアが攻めてくるのでは…」と怯えていたといわれています。しかし結果的に攻めてくることはありませんでした。

そして近代日本法学の歴史において大津事件が大きく関わり、教科書に掲載するほど日本史上で注目された事件だったのです。

参照:↓

滋賀の有名な事件2:日野町事件

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2つ目は滋賀県蒲生郡日野町で発生した日野町事件(ひのちょうじけん)です。この事件は冤罪の可能性がある事件でもあり、現在は遺族や日本弁理士会がHさんの無実の罪を晴らすために特別抗告し再審中です。

日野町事件の要点を説明いたします。

日野町事件の要点

  • Hさんは裁判で自白を強要されたと無罪を主張し、再審を請求する(2006年に棄却)。
  • Hさんの無期懲役確定後、日本弁護士連合会が再審支援した
  • Hさんの遺族も再審請求をしている。
  • Hさんがやったという決定的証拠がないことや警察官による悪質な自白が浮上している。
  • 2011年にはHさんが犯人のまま肺炎のため病死する
  • 現在でもHさんの無実を晴らすために最高裁に再審中である。
  • 冤罪の可能性があることからニュースや新聞などで取り上げられ、全国的に知られる事件になった。

1984年(昭和59年)12月29日から翌年の1985年1月18日にかけて発生した強盗殺人事件。被害者で酒屋の経営者である女性他殺体となって発見されました。

事件現場の近くには女性経営者の所有物である金庫が発見され、金品を奪われていることから、警察は強盗殺人事件として捜査しました。そして3年後には被害者が経営している酒屋の常連客であるHさんが犯人として浮上し、事情聴取で犯行を自白し強盗殺人罪で逮捕。

裁判では無期懲役の判決を言い渡されました。

滋賀県の歴史ある町での強盗殺人だけではなく、冤罪の可能性があるとされています。

参照↓

↓滋賀では他にも事件が起こっています

滋賀の有名な事件3:大津市中2いじめ自殺事件

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最後の3つ目は滋賀県大津市で発生した大津市中2いじめ自殺事件です。

この事件は2011年(平成23年)10月11日、大津市内の皇子山中学校に通う14歳の男子生徒が自殺した事件です。同級生たちによるいじめが理由の飛び降り自殺でした。

大津市中2いじめ自殺事件の要点をご説明いたします。

大津市中2いじめ自殺事件の要点

  • 加害者側は被害者の同級生5人であり、いじめの動機は遊び感覚だったと供述している。
  • いじめの内容は暴行(両手をハチマキで縛る、口をガムテープで塞ぐなど)や窃盗(被害者宅から貴金属や財布などを盗む)が主だった。
  • 被害者の自殺後も加害者たちは被害者の顔写真に穴を空けたり、落書きをするという反省の色がない様子であった。
  • 事件後、いじめに関するアンケートで全校生徒860人が対象になったが、大多数がそのいじめを目撃していた。
  • 裁判では加害者側が被害者側の遺族に賠償金400万円を支払うよう言い渡された。
  • また事件当時の校長や教員ら5人が依頼退職や減給、厳重注意処分を受けた。
  • この事件により、いじめ防止対策推進法が国会で可決になるなど大きな反響を呼んだ。

国が動き出すほど全国的に知られている大津市中2いじめ自殺事件。この事件によっていじめの存在がさらに考えさせられ、いじめに関する法律が作られるきっかけになった事件でした。

参照:↓

まとめ

以上で全国的に知られ、滋賀県で発生した事件を3つ紹介させていただきました。

今回の記事でまとめさせていただくと…

  • 事件1:教科書に載るほど法治国家の日本にとって大きな転換点となった大津事件
  • 事件2:冤罪の可能性があり、世間が注目した日野町事件
  • 事件3:いじめ問題解決に一歩近づくことになった大津市中2いじめ自殺事件

この3つの事件により、ニュースや新聞などで全国的に知られるようになりました。中には歴史が変わる事件も含まれ、いじめ認識に一歩近づいたり、法治国家の日本を変えることにも関わっていました。