2024年1月1日16時10分に石川県能登地方でマグニチュード7.6の「令和6年能登半島地震」が発生しました。
滋賀県にお住まいのみなさんは、地震にどのくらい関心がありますか?
滋賀県は海に面していないので、津波の心配はありません。しかし、今後発生する可能性が高い南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界で発生する大規模地震です。
過去1400年間では約90から150年の間隔で発生しています。また、2020年1月24日時点では、マグニチュード8から9クラスの地震が30年以内に70から80%の確率で発生するとされています。
南海トラフ地震が発生した場合、滋賀県でも甚大な建物や交通インフラ、ライフラインへの影響が予想されます。
この記事では、滋賀県で地震が発生した場合の被害実態から自分の身を守るための防災対策を紹介します。最後までお読みいただき、日頃の防災対策に役立てていただければ幸いです。
地震情報収集に|滋賀県防災ポータル
地震が発生した際には、公的機関からの正確な情報が集約されたサイトを活用することが重要です。
↓滋賀県防災ポータル
https://dis-shiga.jp/pc/topdis-shiga.html
↓公式パンフレット
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/22359.pdf
困ったらここのサイトを見てください。最新の地震情報だけでなく、気象やライフライン、交通情報などの安全に関するガイドラインが提供されています。
一度、どのような情報が掲載されているのか確認しておくと、いざという時に役に立ちますね。
滋賀で南海トラフ地震が起こった時の被害状況【想定】
南海トラフ地震発生時には、建物の倒壊、火災、交通インフラやライフラインの寸断、公共機関の停止などさまざまな被害が生じます。そのため、地震後の帰宅が困難になることが想定されます。
日常生活では、食料や生活用品の入手が難しくなり、避難所での生活が必要になります。
滋賀県地震被害想定(概要版)平成26年3月から南海トラフ巨大地震(基本ケース)による主要被害状況を基に紹介します。
建物の被害状況
地震発生直後の被害想定を知っておくことで、具体的なイメージを持つことができます。自分の住居や通勤、通学している家族など、大切な人がいる方が安全に日常生活を過ごすためにも、状況を確認しておきましょう。
地震直後の被害状況
- 滋賀県内の地震により、2400棟の建物が完全に倒壊し、22,000棟が部分的に損壊。火災は最大で20件発生し、初期消火で大規模な延焼は免れるが、焼失する建物も多数あり。
- 家具の転倒や天井の落下、ビルの壁面や看板などの落下物で死傷者が発生。建物倒壊により、要救出者が発生する。
- 高層建築物ではエレベータの停止・閉じ込めで影響を受ける。
- 消防機関の救急・救命・消火活動が困難であり、地域住民が救出・救命活動を主導する。停電や断水により、一部の主要医療機関で通常の診療が困難となる。
1〜3日後の被害状況
- 滋賀県内の被害状況を理解することで、緊急応急活動は終了する。
- ライフラインの修復により、病院の機能が回復する。
- 近隣エリアの重症患者の受け入れ要請が、被災の地域から滋賀県内の医療機関に対して行われる。
- 被災地域には建築物や土地の応急危険度を判定する専門家が派遣される。
- 建物に被害のない住宅では、ライフラインが回復することで生活の困難が段階的に解消される。
1週間後の被害状況
- 滋賀県内の消防隊や医療従事者が、近隣エリアへの支援活動に本格的に参加する。
1ヵ月後の被害状況
- 震災による被害建物の撤去に伴い、震災廃棄物の処理が本格的に行われる。
- 滋賀県内の個人や企業の被害建物の総額は約4,000億円と予想される。
建物の耐震化の遅れの危険性
滋賀県では、緊急輸送道路をふさぐ危険性のある建物の耐震化が遅れています。阪神・淡路大震災での経験から建築物の耐震化を重要視していましたが、現在でも沿線建築物の耐震化は4割にとどまっています。
2025年度に建築物の耐震化を「ほぼ100%に達する目標」の達成は厳しい状況です。
建物の耐震化が進まない理由として、民間所有の対象建物が多く、耐震化には費用と入居者の同意取り付けが問題となっています。
滋賀県は大津市や彦根市と協力し、毎年春に所有者に対して耐震化の意向調査を実施しています。また、耐震化の診断や設計、改修には面積に応じて補助する制度を導入し、所有者に耐震化の重要性を伝えていますが、耐震化は思うように進まず、地道な取り組みが必要とされています。
下の動画では、南海トラフ地震が起きた時の被害予想しています。文字だけでは、想像をできない部分を映像で補ってくれます。こちらも合わせてご視聴ください。
[明日をまもるナビ] 南海トラフ巨大地震M8クラスの激しい揺れが2度襲う!?| NHK(YouTube)
交通インフラの影響
地震が発生すると、多くの帰宅困難者が発生します。地震後しばらくして混乱が収まり、帰宅が可能となる状況でも、遠距離などの理由で当日中に帰宅が困難になります。
帰宅困難者発生の原因は、鉄道、地下鉄、バスなどの交通機関の運行停止です。災害時には、慌てて移動せず、周囲の状況に応じて安全を最優先に行動しましょう。
滋賀県では地震時に公共交通機関の運行に支障があれば、一斉帰宅を避けて安全な場所にとどまるよう呼びかけています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災の帰宅困難者は、首都圏で約515万人(内閣府推計)でした。
道路施設
地震直後の被害状況
- 地震により、滋賀県内で約700ヵ所の道路被害が起きる。
- 大規模な停電が発生し、非常用電源が整備されていない信号機や道路情報掲示板が停止し、地域内の道路交通がまひして大渋滞が発生する。
- 各道路管理者が施設点検を開始。北陸自動車道、名神高速道路、新名神高速道路、京滋バイパス、琵琶湖大橋、近江大橋は地震直後から緊急点検のため通行止めになる。
- 通信設備の問題で、警察や道路管理者同士の情報共有が難しくなる。また、山間部では、がけ崩れや盛土崩壊により道路が通行不能となる。
1〜3日後の被害状況
- 建物や人的被害状況とともに、通行不能道路が特定される。
- 名神高速道路や新名神高速道路では、安全確認が完了するまで一時的に通行規制がされる。
- 湖岸地域では、地盤が液状化し、沿岸部の道路が通行困難になる。
1週間後の被害状況
- 主要道路の復旧・応急修復作業が進行し、道路網の利用が確保される。
- 支援物資の供給ルートの道路復旧作業も完了し、物資の配送が始まる。
1ヵ月後の被害状況
- 復旧工事の準備が整う。
下の記事では、滋賀の道路の混雑具合や渋滞緩和工事について丁寧に解説しています。
滋賀県は東京・名古屋と京都・大阪を結ぶ、工業的にも大事なポイントとなっています。通勤などで普段から車を利用している方は、地震などの災害時に備えて、道路の混雑具合などを把握しておきましょう。
鉄道施設
地震直後の被害状況
- 新幹線は、地震を早期に検知するシステムが作動し、緊急停止する。また、在来線では、輸送指令で、滋賀県内の全列車が停止する。
- JR在来線と新幹線では、それぞれ約230ヵ所と約20ヵ所程度の軌道変位の被害が発生する。
- 京阪電気鉄道、近江鉄道、信楽高原鉄道でも、約100ヵ所の被害が発生し、運行が不可能になる。
- 列車が橋梁や軌道の被害箇所に高速で進入した場合、深刻な事故が発生する可能性がある。
- 平日の夕刻など、乗客が多い時間帯には、停車している列車内の乗客数が2万人を超えると予想される。
- 軌道や停電の被害状況から、すぐに運行を再開することが難しく、代替輸送を手配する。
- 乗客は、運転士や車掌の指示に従い、周辺の駅や施設などへ徒歩で移動する。
- 天候が良い場合、JR在来線や私鉄の乗客の多くが自宅など20km圏内に徒歩で帰宅する。また、悪天候時には停止列車や沿線施設で夜を過ごすと予想される。
1〜3日後の被害状況
- 鉄道事業者や周辺自治体は、滋賀県内に滞在している人々が安全に帰宅できるよう支援策を検討する。
- 安全点検は段階的に進行するが、停電や燃料不足などの問題があり、復旧作業が進まない。
1週間後の被害状況
- JR在来線や私鉄各線は、県全域で運行を再開するが、新幹線はまだ運行が停止している。
- 安全点検は段階的に行われるが、停電や燃料不足などの問題により、現場での確認や復旧工事が進まない。
1ヵ月後の被害状況
- 東海道新幹線の通常の運行スケジュールを再開するには、数ヶ月以上の時間がかかる。
滋賀県で予想される地震発生時の帰宅困難者数は以下の通りです。
- 県内外からの帰宅困難者:約13万人
- 滋賀県内から京阪神への帰宅困難者:約4万人
通勤、通学先から帰宅する際に、震度5弱以上で交通機関がまひし、徒歩での帰宅を目指す人たちで溢れます。
関西広域連合では、災害時の徒歩帰宅者を支援する取り組みとして、コンビニエンスストアや外食事業者と協定を締結しています。
この協定により、徒歩帰宅者に水やトイレ、道路情報などを提供する「災害時帰宅支援ステーション」が設置されています。滋賀県では、この支援ステーションが750店舗に達しています。
引用:帰宅困難者対策について|滋賀県ホームページ
「災害時帰宅支援ステーション・ステッカー」が店舗の入口などに掲示されています。
関西広域連合は、救急医療の連携や防災などの府県域を越えた行政課題に取り組むことなどを目的とした「特別地方公共団体」です。
滋賀県を含む、三重県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、徳島県、京都市、大阪市、堺市、神戸市の2府6県4政令市で構成されています。
ライフラインへの影響
地震におけるライフラインは、電気・ガス・水道などの公共設備、通信設備、物流、公共交通機関などのことです。
インターネットや電話も重要なライフラインですね。
電力供給施設
地震直後の被害状況
- 関西地域の火力発電所が震度6弱以上の強い揺れの影響で多数が運転を停止する。また、滋賀県内全域の約80%が停電になる。
- 停電による電力供給の支障は、上下水道や通信、交通施設などの機能に直接影響を与える。
1〜3日後の被害状況
- 被害のない発電所が運転を再開し、60Hzエリアの電力事業者間での電力供給の調整により、停電エリアが徐々に少なくなる。
- 3日後には、滋賀県内全域で停電がほぼ解消される見通しだが、発電所の被害状況に応じて、計画停電などの対策が必要になる。
通信施設
地震直後の被害状況
- 県全域での大規模停電により、非常用電源のない個人宅や事業所では、固定電話やFAXなどの通信手段が使用できない。
- インターネットも各戸のルーターの電源喪失により使用不能であり、プロバイダーのサーバーも非常電源の有無によって機能するか不確定になる。
- 防災・医療関連の機関は自家発電設備を有しているが、通信回線や施設への被害、連絡相手先の状況によっては通信や情報収集が困難になる。
- 地震発生後は、中部・西日本一帯で安否確認などの通話が急増し、通信システムが過負荷になり、通信が難しくなる。
- パケット通信の規制によりメールの配信障害や遅れが発生、災害時の情報伝達に支障が出る。
- 安否確認用の災害伝言ダイヤル(171)や災害用ブロードバンド伝言板(web171)、ケータイの「災害用伝言板」が運用され、情報の共有や連絡に活用される。
1〜3日後の被害状況
- 停電による影響で、通信に支障が続く。
- 携帯電話の通話規制は1〜2日間継続し、パケット通信の制限は解除される。
- 電力が回復するとともに、通信機能が正常に復旧する。
上水道施設
地震直後の被害状況
- 一部の地域では液状化により管路や浄水場が被災し、停電で設備が停止しているため、滋賀県内の40%が断水になる。また、液状化がない地域では、管路の損傷が少ない。
- 被災地の水道事業者は被害状況を把握し、初動の人員確保に苦労する。
1〜3日後の被害状況
- 滋賀県全域で断水が起き、被害の状況がほぼ把握される。
- 停電が続く地域では、非常用電源設備の燃料が不足し、配水池への給水が停止しているため、断水地域が広がる。
- 災害協定を結んだ業者などが、応急的な復旧作業を開始する。
- 地震から2日後には、県全体で電力供給がほぼ回復し、浄水場や送水ポンプの運転が再開される。また、燃料不足により軽微な管路被害の復旧作業が遅れており、一部地域では断水が続く。
管路は、地下に埋設される電線や通信ケーブル、水道管などの専用の管です。
1週間後の被害状況
- 各地域では、ほぼ10%の断水が続く。
- 残っている一部の断水地域は、仮の配管から各家庭への給水用の共用栓が設置され、通常の生活水準を確保する。
- 西日本全体で電力供給が不足している場合、計画停電が行われ、浄水場や送水ポンプ施設が停止し、断水が断続的に発生する。
1ヵ月後の被害状況
- 1ヶ月後には全面的に復旧が完了する。
- 滋賀県内の管工事業者などは、近隣エリアの緊急対応に協力する。
下水道等
地震直後の被害状況
- 液状化による地中に埋設した水道の上水管、下水管、または側溝の損傷は発生する。一部の流下機能に支障をきたす場所が出る。
- 一部の湖岸域では、液状化によるマンホールの浮き上がりが道路通行を妨げる。
- 県全体で広範囲にわたる停電が発生し、非常用電源が不十分なマンホールポンプなどが停止する。また、下水処理施設や主要な中継ポンプ場では自家発電設備が自動起動し、運転を続ける。また、一部の下水処理施設にわずかな故障が発生する。
- 滋賀県全体の停電で、農業地域の排水処理施設や各家庭の浄化槽が停止し、汚水処理が停止する。
1〜3日後の被害状況
- 停電によるポンプ停止に伴う汚水滞留の影響で、マンホールから汚水があふれ出す場所が出る。また、地中に埋設した水道の上水管、下水管、または側溝の損傷により地下に汚水が浸透する。
- 高島地域を除く滋賀県全体の処理場や中継ポンプ場では、燃料の不足により、自家発電設備が停止する。その結果、マンホールからの汚水流出が拡大し、周辺地域の清掃や消毒作業が困難になる。
- 地震が起きてから、2日後には滋賀県全体で電力の供給が回復し、処理場や中継ポンプ場の運転が再開する。また、汚水があふれ出した場所では、周囲の地域で消毒が行われる。
1週間後の被害状況
- 滋賀県内への燃料供給が止まり、下水処理施設での汚泥焼却などに支障が出る。
- 西日本全体で電力供給が不足している場合、計画停電が行われ、水処理施設や下水処理施設や中継ポンプ場の運転が停止する。
1ヵ月後の被害状況
- 電力供給が回復し、滋賀県外の支援活動を続ける。
ガス
【都市ガス】地震直後の被害状況
- 震度5弱以上の揺れが滋賀県全域で広がり、供給先に設置されたマイコンメータが感震遮断し、一時的に都市ガスが使用できなくなる。
- 特に液状化が起きた地域では、経年劣化した低圧管に被害が出る。
1〜3日後の被害状況
- 滋賀県内の日本ガス協会の調整により、被害が大きい近隣エリアでの復旧活動を支援する。また、県内では各家庭のマイコンメータが復旧し、ガスの使用が再開される。
1週間後の被害状況
- 被害が深刻な近隣エリアの復旧作業を支援する。
【LPガス】地震直後の被害状況
- LPガスの使用中(夕刻時点で90%以上と推定される)に地震が発生した場合、マイコンメータが感震遮断し、県内のほぼ全ての供給先で一時的に使用できなくなる。さらに、被災建物の配管損傷やボンベの転倒などの問題も発生する。
- 地震が発生した直後から各供給先の安全点検を行う。また、被災地への即時支援は難しい。
1〜3日後の被害状況
- 各地域で停電がほぼ解消され、通信機能や道路の通行状況が回復したことで、顧客世帯の安全点検や各家庭でのガスの再開などが進む。
- 滋賀県内のLPガス販売店や全国のLPガス事業者は、滋賀県LPガス協会などの調整のもと、被災地域の点検や復旧作業、避難所へのボンベの臨時設置などの支援を開始する。
- 3日後には、滋賀県全域でLPガスが使用可能となる見込み。
自分の身を守るための防災対策
南海トラフ地震では、揺れる時間は2から3分ですが、震源域が広い範囲になった場合はそれ以上長く揺れる可能性もあります。また、揺れ方についても予測されており、初めにカタカタと小さめの揺れが起きた後、ゆさゆさと大きく揺れるといわれています。
家の中で地震が発生するとは限りません。外出中に地震が発生した場合、場所ごとに適切な行動をとる必要があります。
地震が起きた時に何をすべきか、事前にイメージしておくことが重要です。
パニックにならずに冷静な行動を心がけましょう。
外出先での地震発生時の行動マニュアル
災害時には、家から避難所への移動や外出先からの帰宅は徒歩で行います。
移動時は消火や救援活動に支障が出ないよう、荷物を最小限にし、両手が使えるようにします。また、背負えるタイプのカバンが便利です。
繁華街
- 頭をカバンなどで保護し、落下物から身を守りながら、ビルの倒壊にも警戒しながら、公園などの広く安全な場所に避難します。
- もし逃げる時間がない場合は、比較的新しい鉄筋コンクリートの建物に避難します。
住宅街
- 瓦やガラスなど、屋根からの落下物から身を守ります。また、カバンなどがあれば、それを使って頭を保護します。
- ブロック塀からは離れて避難しましょう。ブロック塀以外にも門や塀が崩れる可能性があるため、遠くへ離れて避難します。
駅
- 天井から物が落ちてくる可能性に注意し、頭を守るためにカバンなどを使用します。
- ホームから落ちないように気を付け、近くの柱などに移動して揺れが収まるのを待ちます。
- 絶対に線路に降りないようにし、パニックにならずに駅員の指示に従いましょう。
電車の中
- 緊急停車に備えて、身を低くし姿勢を守り、カバンなどで頭を保護します。
- つり革や手すりにしっかりつかまり、体が投げ出されないようにします。
- 冷静さを保ち、乗務員の指示に従います。
車の運転中
- 後続車に気を付けながら、ハザードランプを点灯し、徐々に速度を落とします。そして、道路の左側に停車し、エンジンを切ります。
- できるだけ、駐車場や空き地に停車するようにします。
- 揺れが収まるまで待ちながら、カーラジオなどで情報を入手します。
- 避難するときは、キーをつけたままにしておき、ドアをロックせずに連絡先をメモしておきます。
地下街
- 停電があっても、静かに非常照明が点くのを待ちます。
- 地震の揺れが収まるのを壁や柱のそばで待ち、慌てずに落ち着いて非常口や階段に向かいます。
劇場・ホール
- カバンなどで頭を守り、館内放送や係員の指示に従います。
- 混雑が予想される非常口や階段に殺到せず、冷静に行動します。
デパート・スーパー
- カバンなどで頭を保護し、スーパーやコンビニでは買い物カゴをヘルメット代わりにします。
- 陳列ケースや大きな商品から離れ、倒れたり落下したりする可能性に注意しながら、安全な場所に避難します。
- 階段の中間の広めの平らなスペースや柱の近くに移動します。また、店員の指示に従いながら、落ち着いて行動します。
エレベーターの中
- 揺れを感じたら、行き先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階で降ります。
- エレベーターで閉じ込められた場合は、インターホンを使って状況を通報します。
山間地
斜面や崖から素早く離れます。また、余震や降雨などがあると土砂災害の危険が高まるので、十分に注意します。
非常用品の備え方
災害時には最低でも3日間分の備蓄が必要です。支援物資が到着する目安は4日から7日後ですが、2011年の東日本大震災では、電気・ガス・水道などのインフラ設備に大きな被害があり、1週間後でも復旧率は約57%にとどまりました。そのため、個人の非常時備蓄は1週間が目安になります。
家族がいる方は、家族の人数分を用意しておきましょう。
引用:地震などの災害に備えて – 防災グッズの紹介 | データベース | 総務省消防庁非常用持ち出し袋の中身
- 印かん
- 現金
- 救急箱
- 貯金通帳
- 懐中電灯
- ライター
- 缶切り
- ロウソク
- ナイフ
- 衣類
- 手袋
- ほ乳びん
- インスタントラーメン
- 毛布
- ラジオ
- 食品
- ヘルメット
- 防災ずきん
- 電池
- 水
水を備蓄する際の目安は、1人1日3リットルです。
「電池式の携帯充電器」や「カセットコンロ」は災害時にあると便利です。
スマホで情報を取得する際に充電を気にしなくてもいい、温かい物が食べられることは、生活の中で優先順位の高い項目です。
家の中で安全な避難場所は?
地震時の家の中で安全な場所は「玄関」です。理由として、構造的に頑丈で、ガラス窓や家具が少ないことや壁は柱に囲まれ強度が高く、逃げ道も確保しやすい点が挙げられます。
玄関に限らず、家の中で安全な場所は、避難がしやすく、食器や家具がない、窓ガラスが少ない場所が最適です。
窓がない密閉された部屋(例: トイレやお風呂場)は、地震時に安全ではありません。
ドアが開かなくなる恐れがあり、閉じ込められるリスクがあります。
地域社会の被害対策
救助活動と被災者支援
大津市の災害対策救助隊が増強されました。2021年の豪雨災害を受けて、4月に本部隊が新設され、全隊員数は37人から49人に増加しました。
この救助隊は一般職員だけで構成され、災害に特化したチームであり、全国的にも珍しい存在です。
救助隊は、1965年に設置され、35歳以下の若手職員で構成されています。
災害発生時には市長直属の組織として活動し、地域ごとに分かれて運営支援や物資搬送などの活動を行います。
2021年の豪雨では、大津市高砂町で山の斜面が崩落し、国道161号西大津バイパスに土砂が流入しました。これを受けて、救助隊の人員増強が決定され、新入隊員らの辞令交付式では、市民の安全を第一に活動することが訓示されました。
地域社会の連携と支援体制
びわ湖で大地震と大規模停電を想定した訓練が2022年11月に行われ、電気を復旧するための人員や資機材を船で輸送する方法を検証しました。
訓練では、滋賀県でマグニチュード7.8の大地震が発生。道路が通行不能となり停電が広範囲で発生した想定で、停電復旧に必要な人員や資材を船で輸送する内容でした。
遊覧船が使用され、大津港からびわ湖大橋までの12キロを30分で移動しました。
関西電力送配電は、大規模災害時に船会社や自治体と連携し、スムーズな復旧を目指す方針です。
まとめ
今回は滋賀県で地震が発生した場合の被害実態から自分の身を守るための防災対策を紹介しました。
滋賀で南海トラフ地震が起こった時の被害状況
- 滋賀県地震被害想定から南海トラフ巨大地震による主要被害状況を紹介
- 建物の被害状況、交通インフラの影響、ライフラインへの影響
- 自分の身を守るための防災対策
滋賀県内で地震が発生した場合、どの程度の被害予想をしているのかを把握しておきましょう。
全てが被害想定内ということはないとしても、滋賀県内のインフラが1週間後には、どの程度復旧しているのか目安になります。
また、地震発生時の食料品などの備蓄をする目安にもなります。備蓄をすることは大切ですが、自分の周りに住んでいる人たちとの協力も欠かすことができないことを忘れないでください。
この記事が災害に意識を向けるきっかけになれたら、幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。