滋賀の伝統工芸と言えば何があるかご存じでしょうか?自信を持って言える人は、あまり多くないかもしれません。
滋賀には、次の世代に残したい素晴らしい伝統工芸があります。滋賀出身者や滋賀在住者なら言えるようにしておきたいですよね。また、お土産にもいかがでしょうか?
ぜひ最後までご覧ください♪
滋賀の伝統工芸品を全部言えますか?
えーっと、信楽焼と・・・?
タイムアウトです!一緒に勉強しましょうね。
国が指定した滋賀の伝統工芸品3つを紹介!
まずは、国が指定した滋賀の伝統工芸品を3つ紹介していきます。
豆知識
滋賀の伝統工芸品には、国が指定した【経済産業大臣指定伝統的工芸品】と県が指定した【知事指定滋賀県伝統的工芸品】があります。詳しくは後半で!
滋賀の伝統工芸①:『彦根仏壇』
【彦根仏壇】の始まりは江戸時代中期とされており、350年以上の歴史があります。武具や武器の作製に携わっていた職人が、平和産業として仏壇作りを始めたことがきっかけです。
彦根は古くから仏教が盛んな地であり、仏壇が一般化してきたことや、彦根藩主の強力なバックアップがあったことで発展を遂げました。
『彦根仏壇』の特徴
伝統的工芸品に指定されている仏壇の産地は全国で15箇所あります。その中で最初に指定されたのが【彦根仏壇】です。
高級素材を使い、大型仏壇が多いため、高級仏壇として知られています。金箔や蒔絵をふんだんに使い、豪華絢爛に作られています。
工部七職と呼ばれる7分野の高度な技術を持つ職人が連携して、一つの仏壇を作り上げていきます。
『彦根仏壇』の購入方法は?
彦根市には老舗【彦根仏壇】のお店がたくさんあるので、ホームページ等で候補を決めて実際に見に行くのが良いでしょう。
しかし、仏壇購入は高額な買い物ですし慎重になりますよね。まずは【彦根仏壇事業協同組合】に相談されてはいかがでしょうか?
彦根仏壇事業協同組合
滋賀の伝統工芸②:『信楽焼』
天平時代(奈良時代)に聖武天皇が紫香楽宮を作る際に、瓦を焼いたのが始まりと言われています。
鎌倉時代中期には水瓶が作られ、その後は茶の湯の発達により、茶道具作りが盛んになっていきました。
近年は食器やタイルや傘立てと言った、時代のニーズをとらえたものが作り続けられています。
『信楽焼』は何故たぬきのイメージが強いの?
信楽焼と言えばたぬきをイメージされる方が多いのではないでしょうか。
信楽たぬきが有名になったのは、1951年の昭和天皇の信楽行幸です。日の丸の旗を持たせた信楽たぬきを沿道に並べて、お出迎えをしました。
それ以降、信楽と言えばたぬきと言うイメージが全国に広がりました。
実際に『信楽焼』に触れたい!
ネット販売で信楽焼を購入することも可能ですが、実際に窯元に行くのはいかがでしょうか。
例えば江戸時代から引き継がれている大のぼり窯を持つ【宗陶苑】であれば、大のぼり窯や工房を見学できますよ。
さらに、陶芸体験もあります。職人の作品を購入するのも良いですが、自分で作るのも素敵ですね。
宗陶苑
所在地: 滋賀県甲賀市信楽町長野1423-13
電話番号:0748-82-0316(公式Facebookからの情報です)
営業時間:08:30~17:30(公式Facebookからの情報です)
Webサイト:信楽焼の窯元「宗陶苑」
滋賀の伝統工芸③:『近江上布』
琵琶湖や川の湿度に恵まれた麻栽培に適した環境で、古くから大麻が栽培されてきました。
鎌倉時代に京都からの移り住んだ職人により麻織物が作られ、室町時代に産地として知られるようになりました。
特に江戸時代に彦根藩は上質な麻織物を将軍家への献上品とし、さらなる発展を遂げていきました。
『近江上布』を生活に取り入れるには?
和服を着る習慣がなくても生活に取り入れられます。【近江上布伝統産業会館】のショップにはハンカチやマスク、ふきん等【近江上布】で作られた小物を販売しています。
その他にも展示物や本格的な体験もできるので、興味のある方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。
近江上布伝統産業会館
▼滋賀の歴史スポットを散策しましょう♪こちらの記事もご覧ください。
まだまだある!滋賀の伝統工芸品
伝統工芸品には「国が指定したもの」と「県が指定したもの」があります。それでは見ていきましょう。
滋賀で【国が指定した伝統工芸品】に該当するものは?
この記事の冒頭で紹介した3つの伝統工芸品が【国が指定した伝統工芸品】にあたります。全国で237品目あるうちの3品目が滋賀にあります。すべて知っていますか?
【経済産業大臣指定伝統的工芸品】の3品目
- 彦根仏壇
- 信楽焼
- 近江上布
滋賀で【知事が指定した伝統工芸品】に該当するものは?
では滋賀県知事が指定した38品目を見ていきましょう。皆さんの身近にあるものかもしれませんね。
【知事指定滋賀県伝統的工芸品】の38品目
- 網織紬
- 楽器糸
- 鼻緒
- 特殊生糸
- 輪奈ビロード
- 提灯
- ろくろ工芸品
- 浜仏壇
- 錺金具
- 和ろうそく
- 近江真綿
- 上丹生木彫
- 彦根繍
- 湖東焼
- 秦荘紬
- 近江刺繍
- 太鼓
- 愛知川びん細工手まり
- 手織真田紐
- 長村梵鐘
- 小幡人形
- 江州よしすだれ
- 押絵細工
- 八幡丸竹工芸品
- 木珠(高級木製数珠玉)
- 木製桶樽
- 神輿
- 正藍染
- 近江下田焼
- 草木染手組組紐
- 膳所焼
- 近江雁皮紙
- 大津絵
- いぶし鬼瓦
- 綴錦
- 高島扇骨
- 雲平筆
- 和ろうそく
参考:滋賀の伝統工芸品(滋賀県商工観光労働部モノづくり振興課)
▼お腹は空いていませんか?ご当地グルメから食文化と歴史を学びましょう!
そもそも【伝統工芸】ってどういうものを言うの?
その地域で産出される素材に、伝統的な技法を使って作られたものを言います。
例えば焼き物なら、その土地の土を材料にして、伝統ある模様付けや焼き方、色付け等をしたものに対して【伝統工芸】と、呼ぶことが一般的です。
しかし、厳密にはきちんとした定義が法律等で定められています。少し難しい話になりますが、ここでは定義を2種類紹介します。
【経済産業大臣指定伝統的工芸品】とは何か?
【伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号)】があり、経済産業大臣が5つの要件に該当するものを【伝統的工芸品】に指定します。2022年3月18日時点で、国が指定したものは237品目あります。
引用:伝統的工芸品に関する法律について (METI/経済産業省)
- 主として日常生活の用に供されるものであること
- その製造過程の主要部分が手工業的であること
- 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
- 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること
- 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること
うっ、堅苦しい話になってきたぞ・・・
伝統的とはおよそ100年間以上のことを言います。
【日常生活に使われているもの】と、言うのも重要なポイントですね!
【知事指定滋賀県伝統的工芸品】とは何か?
さて、国が指定したものとは別に、滋賀には知事によって指定された【知事指定滋賀県伝統的工芸品】が存在します。【滋賀県伝統的工芸品指定要綱】の要件に4つに基づき、指定されます。2019年6月時点で、38品目が指定を受けています。
引用:滋賀県の伝統的工芸品について|滋賀県ホームページ (shiga.lg.jp)
- 主として日常生活に使われるもの
- 製造工程の主要部分が手工業的であるもの
- 伝統的な技術または技法により製造されるもの
- 伝統的に使用されてきた原材料を主たる原材料として用いられ製造されるもの
お疲れ様でした!難しい話はこれで終わりです。
まとめ
滋賀の伝統工芸を紹介しましたが、いくつご存じでしたか?
最後までお読みくださった皆さんは、今日から自信を持って、滋賀の伝統工芸をたくさんの方に紹介してくださいね。
皆さんの力で次の世代に残していきましょう!
まとめ
【これだけは覚えておきたい!滋賀の伝統工芸品3つ】
- 彦根仏壇
- 信楽焼
- 近江上布