世界遺産に登録されている下鴨神社は京都市左京区にあります。滋賀からのアクセスもいいので、おでかけの目的地としてももってこいではないでしょうか。

近江びわ子
近江びわ子

パワースポットとしても有名ですよね。

下鴨神社といえば、京都三大祭りの一つ「葵祭(あおいまつり)」を思い浮かべる人も多かもしれません。下鴨神社では葵祭以外にもさまざまな神事が執り行われています。

せっかく下鴨神社を訪れるなら、神事の時期に合わせるのもいいですね。

滋賀太郎
滋賀太郎

そこで今回は、下鴨神社のみどころや葵祭をはじめとする四季折々の神事について調査してみました。

下鴨神社の見どころ(スポット編)

下鴨神社というのは通称で、正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といいます。京都市左京区にある日本最古の一つと言われれる由緒のある神社。

紀元前90年、崇神天皇のころに瑞垣(みずがき:神社の周囲に設けた垣根)を修繕したという記録があるそうです。つまり、下鴨神社の起こりはそれ以前と考えられます。今回はそんな下鴨神社の見どころスポットを6つ紹介します。

今回紹介する見どころスポット一覧

  • 下鴨神社本殿
  • 糺の森
  • 河合神社
  • 相生社
  • 井上社(御手洗社)
  • 言社
近江びわ子
近江びわ子

【ひとくちメモ】
滋賀県にも下鴨神社によく似た名前の賀茂神社が近江八幡市にあります。こちらは日本の「気」の集まる中心地として西暦736年(天平8年)に創建されました。

競馬の聖地でもあるんですよ。滋賀県には他にも「賀茂神社」ではなく「加茂神社」という神社がいくつかあります。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|下鴨神社本殿

下鴨神社本殿には西殿と東殿があります。ご祭神は西殿が「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」、東殿はその娘「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」です。本殿は東西の2つで、東殿は「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」、西殿は「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」をご祭神としています。

ただ本殿は通常参拝時では見られないんです。春や秋の特別公開や「京の夏の旅」や「京の冬の旅」などのイベントで公開されることがあります。これらの情報は、京都市公式京都観光Naviで発表されるので、貴重な機会を逃さないようチェックしておきましょう。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|糺の森

糺の森(ただすのもり)は下鴨神社の鎮守の森です。縄文時代から脈々と続く太古の森でもあります。樹齢200年から600年の樹木も多く、紀元前の植生を今に伝える貴重な森です。広葉樹を中心に40種類もの木々が自生する糺の森には季節ごとの美しさがあります。

▽糺の森を紹介されている動画がありました。やさしい音楽とともに、美しい風景が移り変わっていきます。

さざれ石

糺の森には君が代に登場するさざれ石があるんです。「さざれ石の巖になりて苔のむすまで」とは、「小さな石が大きな岩となり、その岩に苔が生えるまで」という時間経過を表しています。神霊の宿る岩として信仰されているそうです。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|河合神社

鴨長明(かものちょうめい)ゆかりの河合神社にまつられているのは美麗の神として知られる玉依媛命。玉依媛命の美しさにあやかろうと、昔から女性の信仰を集めています。

河合神社に奉納するのは鏡絵馬と呼ばれる手鏡をかたどった絵馬です。鏡絵馬に化粧を施し美顔を祈願して奉納します。メイク道具は神社に備え付けてあるものを使っても、自分のメイク道具でも構いません。

河合神社には、他にも御白石(おしらいし)という石があります。この御白石を触った手で顔を触ると、御白石のように白く美しくなるといわれているそうです。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|相生社

相生社(あいおいのやしろ)は縁結びの神様がまつられています。神様の名前は神皇産霊神(かみむすびのかみ)。縁結びだけでなく、安産や育児、家庭円満のご利益もあるとされているんです。

男女別の恋みくじもあるそうなので、引いてみるのも良いかもしれませんね。ちなみに、『源氏物語』に出てくる和歌が書かれているそうですよ。

連理の賢木

相生社にある御神木の連理の賢木(れんりのさかき)は2本の木が途中から1本の木になっています。これは京の七不思議のひとつとされているそうです。言い伝えでは、神皇産霊神の縁結びの力があまりにも強く、2本の木が1本の木になってしまったとされています。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|井上社(御手洗社)

井戸の上に建てられている井上社(いのうえしゃ)。御手洗社(みたらしのやしろ)という別名でも知られています。井上社はおはらいの社として有名です。

ここにまつられているのは瀬織津姫命(せおりつひめのみこと)。瀬織津姫命はすべての罪やけがれを洗い流すことができるそうなんです。瀬織津姫命については謎が多いようで、封印された神様ともいわれています。

御手洗池

井上社の井戸の水が水源となっているのが井上社の前に広がる御手洗池(みたらしいけ)です。御手洗池の水は御手洗川(みたらしがわ)へと流れていきます。境内を流れる間に御手洗川→奈良の小川→瀬見の小川と名前を変えるそうです。最終的には鴨川に注いでいます。

土用の丑の日に御手洗池に足をつけると、疫病やかっけにかからないご利益があるいわれていました。そのため夏の土用の丑の日の前後4日間は御手洗祭というガン封じや無病息災を祈っておはらいをうける足つけ神事が行われています。

他にも、矢取りの神事といわれる夏越神事や流し雛、斎王代の禊の儀などが行われるのも御手洗池なんです。

水みくじ

井上社では水みくじを引くことができます。水みくじは御手洗池の水につけると、ゆっくりと文字が浮き上がってくるんです。どんな結果が出るのワクワクしながら待つのもいいかもしれませんね。

みたらし団子

御手洗川では土用の丑の日になると池の周辺や川の底から清水が湧きでるといわれています。これは鴨の七不思議のひとつなんです。清水が湧き出るときの水泡を模して作られたのがみたらし団子なんだそう。

みたらし団子を味わうなら下鴨神社西側にある下鴨本通沿いにある加茂みたらし茶屋がおすすめです。加茂みたらし茶屋は創業1922年の老舗茶屋。下鴨神社を訪れたら、足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

下鴨神社の見どころ(スポット編)|言社

下鴨神社本殿前には言社(ことしゃ)があります。言社にまつられているのは大国主命(おおくにぬしのみこと)です。大國さんと呼ばれ親しまれています。言社の7つの小さなお社には十二支の守り神がまつられているんです。守り神はどれも大国主命の別名で、名前によってご利益が変わります。

一言社(東社)大国魂神(おおくにたまのかみ)国土創生と大地の神、命の躍動の象徴
大国魂神(おおくにたまのかみ)国土創生と大地の神
一言社(西社)顕国玉神(うつしくにたまのかみ)国土の守り神、物事をうまく運び営む力の神
二言社(北社)大国主神(おおくにぬしのかみ)国づくりと縁結びの神
二言社(南社)大物主神(おおものぬしのかみ)物を司り神仏のお使いの神
大物主神(おおものぬしのかみ)物を司り力を与える神
三言社(北社)志固男神(しこのおのかみ)天下一のつわもので力の神
志固男神(しこのおのかみ)天下一のつわもので希望の象徴の神
三言社(中社)大己貴神(おおなむちのかみ)国づくりと医薬の神様
大己貴神(おおなむちのかみ)国づくりと医薬の神様
三言社(南社)八干矛神(やちほこのかみ)邪悪を断ち切る武勇に優れた神、天子の象徴
八干矛神(やちほこのかみ)邪悪を断ち切る武勇に優れた神

自分の干支のお社をお参りしましょう。

▼滋賀県のうさぎだらけの神社も訪れてみませんか?

下鴨神社のみどころ(神事編)

下鴨神社では、

  • 毎月1日に行われる月次祭(つきなみさい)
  • 干支の神様に新年の幸せを願う初えと祭
  • 立夏の日と立冬の日に行われる神様の衣替えを行う更衣祭
  • 蛍が舞う中行われる蛍火の茶会
  • 夏の土用の丑の日の前後に行われる御手洗祭(足つけ神事)

など、たくさんの神事が行われています。その中でもおさえておきたい神事を7つ紹介していきます。

今回紹介する見どころ神事

  • 蹴鞠はじめ
  • 節分祭
  • 流し雛
  • 流鏑馬神事
  • 賀茂祭(葵祭)
  • 夏越神事 (矢取りの神事)
  • 名月管絃祭

下鴨神社のみどころ(神事編)|蹴鞠はじめ

毎年1月4日に行われる蹴鞠(けまり)はじめ。サッカーをほうふつとさせる平安貴族のみやびな遊びを再現したものです。烏帽子に水干、袴姿という平安貴族の装束を身に着け、鹿の皮でつくられた直径20センチほどの鞠を落とさないように蹴っていきます。蹴る時は右足だけを使うそうです。

▽百聞は一見にしかず。日本のサッカーの起源とも言われる蹴鞠の様子をご覧ください。華麗な足さばきに注目です。

下鴨神社のみどころ(神事編)|節分祭

毎年2月3日の節分祭では、午前中に古神符焼納神事、午後から追儺弓神事と豆まきが行われます。豆まきでは福豆のほかに福もちもまかれるそうなんですよ。

▽節分祭を紹介している動画です。鏑矢(かぶらや)を放つことで鬼をはらうといわれている追儺弓神事。直垂姿の射手のりりしい姿は必見です。

下鴨神社のみどころ(神事編)|流し雛

毎年3月3日に京の流し雛としてお内裏さまとお雛さまの平安装束を身にまとった男女が御手洗池に流し雛を流します。人形(ひとがた)を流すことで厄落としをする神事。一般の参加者も有料で流し雛を行えます。ちなみにお雛さまの装束の着付けを解説付きで見ることもできます。

下鴨神社のみどころ(神事編)|流鏑馬神事

古来から葵祭の露払いとしておこなわれている流鏑馬神事(やぶさめしんじ)。狩装束の射手が走る馬から鏑矢(かぶらや)で的を射る勇壮な神事です。ニュースなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

▽流鏑馬神事のニュース動画です。馬上から的を射抜く姿に見とれてしまいます。

下鴨神社のみどころ(神事編)|賀茂祭(葵祭)

賀茂祭(葵祭)は京都三大祭のひとつとして有名ですよね。2023年には上皇様ご夫妻がご覧になりました。メインは平安装束を身にまとった人々が初夏の京都の町を練り歩く街頭の儀。斎王代(さいおうだい)の華やかな姿もみどろこですが、王朝絵巻から抜け出したような行列は圧巻です。

下鴨神社のみどころ(神事編)|夏越神事 (矢取りの神事)

下鴨神社の夏の風物詩である矢取りの神事は、無病息災の祈りを込めた夏越神事(なごししんじ)です。舞台は御手洗池。池の中央に斎矢(いみや)が立てられ、厄除けの人形(ひとがた)が流されると神事の開始です。一斉に裸の男たちが池に飛び込み一本の矢を奪い合います。

玉依媛命が、川遊びで見つけた1本の矢を持ち帰り、その直後にご懐妊して賀茂別雷神を生んだという故事にちなんだものがこの神事。1本の矢を奪い合う姿は迫力満点です。

下鴨神社のみどころ(神事編)|名月管絃祭

下鴨神社では毎年、中秋の名月の日に名月管絃祭が開催されています。名月管絃祭では雅楽や王朝舞が披露され、平安時代の貴族のような優雅な時間を過ごせるんです。しばし平安時代に思いをはせてみてはいかがでしょうか?

▽名月管絃祭の実際の様子を紹介している動画をご覧ください。かがり火の中、演奏される音色にいにしえの貴族の気分を味わえます。

下鴨神社へのアクセス

下鴨神社へおでかけの際は、なるべく公共交通機関を利用しましょう。滋賀県から京都駅まで車を利用してパークアンドライドという手もあるのですが、京都駅周辺の駐車場が満車の可能性もあります。やはりJR湖西線やJR琵琶湖線が便利ですよ。

京都駅から地下鉄烏丸線と市バス

京都駅より地下鉄烏丸線に乗車、北大路駅で下車
北大路駅より市バス1番・205番(約25分)に乗車、下鴨神社前(もしくは糺ノ森前)で下車

京都駅から市バス

京都駅より市バス4番・205番に乗車、下鴨神社前(もしくは糺ノ森前)で下車

京都駅からJRと京阪電車

京都駅からJR奈良線に乗車、東福寺駅で下車
京阪東福寺駅から京阪電車(出町柳駅行き)に乗り換えて出町柳駅で下車
徒歩12分


詳しいアクセス方法は公式サイトをご覧ください。

まとめ

今回の記事を簡単にまとめました。

下鴨神社のみどころまとめ

【スポット編】

  • 下鴨神社本殿
  • 糺の森
  • 河合神社
  • 相生社
  • 井上社(御手洗社)
  • 言社

【神事編】

  • 蹴鞠はじめ
  • 節分祭
  • 流し雛
  • 流鏑馬神事
  • 賀茂祭(葵祭)
  • 夏越神事 (矢取りの神事)
  • 名月管絃祭

今回、紹介しきれなかった下鴨神社の見どころも多くあります。一度、訪れたら、何度も足を運びたくなる下鴨神社。長い歴史を経ることで培われた厳かな雰囲気に、自然と心が洗われ清々しい気分になることでしょう。

自分なりの楽しみ方を見つけに下鴨神社までおでかけしてみませんか?